生え際が後退しはじめた時に起こる7つのサインとは?薄毛の原因や対策方法についても解説します

  • 「最近前髪が薄くなってきた…」
  • 「おでこが広くなってきた気がする…」

この記事を読まれている方は、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では生え際が後退してしまう原因から対策方法まで徹底解説。

ぜひ最後までお目通しください。

生え際が後退してしまう4つ原因

まずは「何故、生え際が後退するのか」といった原因の点について解説いたします。薄毛になる原因はさまざまですが、代表的な原因としては、主に以下の4点が挙げられます。

  • AGA(男性型脱毛症)
  • 血行不良
  • 栄養不足
  • 睡眠不足

それぞれ詳しく解説していきます。

AGA(男性型脱毛症)

生え際の後退をはじめとした、薄毛の原因として代表的なものがAGA(男性型脱毛症)です。

AGAを発症すると、生え際である前頭部または頭頂部から徐々に薄毛になっていき、最終的には前頭部から頭頂部にかけて、髪の毛が無くなります。

生え際の後退はAGAの進行具合を表すハルミトン・ノーウッド分類において、AGAの初期段階で見られる症状であり、パッと見では気づき辛い段階のため、AGAが発症していると認識し辛い時期でもあります。

AGAが発症する原因

AGAが発症する原因としては、男性ホルモンが大きく関係しています。

男性ホルモンであるテストステロンと、還元酵素である5αリダクターゼが結合することで、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンが生まれます。

そして、DHTは毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に結合し、脱毛因子であるTGF-βを増やすのです。

TGF-βの働きによって、髪の毛の基となる毛母細胞の増殖は抑制され、髪の毛の成長期が極端に短くなることから、徐々に薄毛が進行していきます。

「ハゲは遺伝」とよく言われますが、これは男性ホルモン受容体の量が遺伝によって大きく左右されるためです。いくらDHTの生成量が多くとも、受容体が少なければ脱毛因子が増えることはありません。

また、受容体の量については母親から遺伝するため、母方の家系に薄毛の方がいる場合には注意した方がいいでしょう。

血行不良

血行不良とは血液の流れが悪くなること。何故、血行不良が生え際の後退に繋がるかと言うと、髪の毛の栄養は血液を介して髪の毛に届けられているためです。

毛母細胞の生成にはタンパク質をはじめとした、さまざまな栄養素が必要となり、血行不良によってこれらの栄養素が十分に頭皮へと届けられないと、髪の毛が十分に成長できず、細く短い毛が増え、薄毛になります。

血行不良になる原因

血行不良になる原因はさまざまですが、生活習慣の乱れが主な原因として考えられます。具体的には

  • 運動不足
  • ストレス
  • 慢性的な睡眠不足
  • 食生活の乱れ(ビタミン群の不足)

といった内容が挙げられます。血行不良になると薄毛を引き起こすだけでなく、肩こりや腰痛、冷え性などの症状も引き起こしてしまいます。

栄養不足

髪の毛が作られる際には、多くの栄養素が必要です。そのため、偏った食生活をしていると、栄養が足りずに髪の毛が十分に成長できず、薄毛を引き起こしてしまうこともあります。

髪の毛の8割~9割はケラチンと呼ばれるタンパク質で作られており、このタンパク質は18種類ものアミノ酸によって構成されています。

こう聞くと「じゃあ、タンパク質だけ摂れば髪の毛の栄養は問題ないか」と考える方もいますが、それは間違いです。タンパク質が合成されるにあたって、ビタミン群やミネラルなど様々な栄養素が必要となるため、満遍なく摂取する必要があります。

慢性的な睡眠不足

髪の毛の基となる毛母細胞が活性化するにあたって、成長ホルモンは重要な役割を担っています。男性の場合、成長ホルモンの約6割は睡眠中に分泌されると言われており、慢性的な睡眠不足が続くと、成長ホルモンが十分に分泌されません。

成長ホルモンの分泌量が減ると、当然毛母細胞の活動も弱まり、薄毛に繋がってしまうのです。

成長ホルモンの分泌には睡眠の質の良し悪しも重要

成長ホルモンの分泌には睡眠の質も重要です。成長ホルモンの分泌量は睡眠から90分後にピークを迎えますが、この時にレム睡眠(浅い睡眠)ではなくノンレム睡眠(深い睡眠)の状態である必要があります。

生え際が後退しはじめた時に起こる7つのサイン

生え際が後退しはじめる時には、頭皮や髪の毛にさまざまなサインが現れます。具体的な内容としては、主に以下の7つが挙げられます。

  • 髪のセットがキマらなくなる
  • 前髪の分け目が変わる
  • 毛根の膨らみが無くなる
  • 髪の毛が細くなりハリ・コシが無くなる
  • 抜け毛の量が増える
  • 頭皮に痒みを感じる
  • 頭皮が硬くなる

薄毛の原因は多岐に渡るため、全てのサインがご自身の頭皮や髪に現れる訳ではありません。ただ、2つ以上当てはまる場合には、生え際の後退が起き始めている可能性が高いでしょう。

それぞれ詳しく解説していきます。

髪のセットがキマらなくなる

生え際が後退しはじめると、髪のセットがキマらなくなることが多く見られます。

髪のセットがキマらなくなる理由としては、生え際が後退することで前髪の分け目が変わってしまい、今まで通りの毛流れを作れなくなってしまったり、髪の毛が細くなってしまうことで、髪の立ち上がりが悪くなってしまうためです。

つい数か月前にはできていた髪型が作りづらくなってしまったという方は、薄毛が進行していることを疑った方がいいでしょう。

毛根の膨らみが無くなる

健康的な毛根は膨らみがあり、毛根鞘と呼ばれる白い物体がくっついています。しかし、何かしらが原因で髪の毛がきちんと成長していないと、毛根の膨らみが無くなり、真っ黒の状態になるのです。

抜け毛の毛根がこのような状態である場合、注意しましょう。

髪の毛が細くなりハリ・コシが無くなる

先にご説明した通り、薄毛にはさまざまな原因が挙げられます。

しかし、「髪の毛が十分に成長できない状態になる」という点は、いずれの原因にも共通しており、十分に成長できていない毛は髪が細く、ハリ・コシが無い状態であることが見受けられます。

ふと髪の毛を触った時に、以前よりも指通りが悪かったり、密度が薄くなっているように感じる場合は、髪の毛が十分に成長できていないという事が考えられます。

抜け毛の量が増える

健康的な人でも、髪の毛は一日に50本~100本ほど抜けると言われています。数にして聞くと「そんなに抜けてるのか」と思う方も多いかと思います。しかし、この程度の抜け毛量であれば日常生活の中で、気になることはほとんどないでしょう。

しかし、お風呂場の排水溝が頻繁に詰まってしまったり、枕に何十本も抜け毛が付着したりしている場合には100本以上もの毛が抜けている可能性が高いと考えられるため、チェックしましょう。

頭皮に痒みを感じる

健康な髪の毛の成長には健康な頭皮環境を保つ必要があります。頭皮に痒みを感じる場合、皮脂の過剰分泌が起きている可能性が考えられ、皮脂によって毛穴が詰まってしまっているかもしれません。

毛穴が詰まることで髪の毛が生え辛くなる他、脂漏性皮膚炎という炎症を起こし、さらに頭皮環境を悪化させることもあります。

頭皮が硬くなる

「前よりも頭皮が硬くなったな…」と感じる場合には、血行不良が起きている可能性があります。先にも述べた通り、血行不良が起こると、髪の毛に十分な栄養が送られなくなってしまい、毛母細胞の活動が弱くなります。

その結果、髪の毛が十分に成長できなくなり、薄毛へと繋がるのです。

生え際の後退は高校生や大学生でも十分に起こり得る

これまで生え際が後退する原因や前兆など解説させていただきましたが、高校生や大学生でも薄毛になることは十分に考えられます。AGA発症者のうち約10%は10代なのです。

男性ホルモンであるテストステロンの分泌量は20代~30代がピークではあるものの、男性は思春期を迎えると急激に分泌量が増えるため、いつAGAになってもおかしくはありません。

10代の女性でも薄毛になることはある

女性は男性よりもテストステロンの分泌量が低いことから、薄毛にはなり辛いと考えられますが、10代の女性でも薄毛になることは十分に起こりえます。

多感な時期である思春期の頃にはホルモンバランスが崩れやすく、女性であっても男性ホルモンの割合が増えてしまうこともあるのです。

後退してしまった生え際も回復する可能性はある

生え際が後退してしまったとしても、早期に対策を行えば回復する可能性はあります。

髪の毛はずっと伸び続ける訳では無く、成長し切った後には自然と抜け落ち、また新たな髪の毛が生えてきます。このサイクルをヘアサイクルと呼びます。

ただ、ヘアサイクルは無限に行われる訳では無く、一生のうちに40~50回程度と上限があるのです。そのため、AGAをはじめとした脱毛症によって、成長期が極端に短くなってしまうと、ヘアサイクルの回転頻度は上がり、すぐに毛根の寿命を迎えてしまいます。

そのため、毛根の寿命が尽きる前にいち早く対策を行えば、毛髪の量を回復させる可能性は十分にあるのです。

生え際の後退を止めるための対策方法

ここからは生え際の後退を止めるための対策方法について、大きく以下の4つをご紹介させていただきます。

  • AGA治療を受ける
  • 育毛剤を使用する
  • 生活習慣を見直す
  • 頭皮マッサージを行う

それぞれ詳しく解説していきます。

AGA治療を受ける

薄毛の原因がAGAである場合、AGA治療を受けるのが最も薄毛対策に効果的であると言えるでしょう。治療と聞くとハードルが高く聞こえますが、主な治療内容としては内服薬を用いたものがほとんどです。

治療に使用される薬剤としてはフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルタブレット(又は外用薬)の3種類。フィナステリドとデュタステリドにはDHTの基となる5αリダクターゼの活動を抑制し、ミノキシジルタブレットは毛母細胞・毛乳頭の活性化と血行促進の効果があります。

母方の家系に薄毛の人がいる場合など、AGAの疑いがある場合には一度クリニックで診察を受けてみると良いでしょう。

育毛剤・発毛剤を使用する

育毛剤は頭皮環境の改善および抜け毛の防止効果があります。具体的には血行促進効果や保湿効果などが挙げられ、育毛剤は「これ以上、髪の毛を減らしたくない」という方におすすめの対策方法です。

逆に「髪の毛を増やしたい」という場合には発毛剤を使用する必要があります。育毛剤には直接的に発毛を促進させる効果のある成分が含まれておらず、それらの成分が配合されたものは発毛剤という扱いになるのです。

発毛剤には厚生労働省にも効果が証明されているミノキシジルが配合されており、先に述べた通り、毛母細胞・毛乳頭の活性化と血行促進の効果によって、発毛が期待できます。

育毛剤と発毛剤のどちらもドラッグストアで購入ができるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

生活習慣を見直す

原因の章でも述べた通り、生え際の後退をはじめとした薄毛の原因には、栄養不足や睡眠不足などさまざまな生活習慣が大きく関係しています。そのため、薄毛に悩みはじめたら、まずは生活習慣の見直しから行いましょう。

実践する内容としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 睡眠を改善する
  • 食生活を改善する
  • 適度な運動を行う

それぞれ詳しく解説していきます。

睡眠を改善する

先にも述べた通り、髪の毛の基となる毛母細胞の増殖には成長ホルモンがかかせません。そして、成長ホルモンを十分に分泌させるためには、睡眠の長さと質が重要です。

適切な睡眠の長さは人によって異なり、実は未だに十分な研究データはありません。ただ、厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針」では6時間~8時間ほどを目安としている上、成長ホルモンの分泌が落ち着く頃は入眠から6時間経過したあたりのため、6時間~8時間ほどの睡眠を取ればよいでしょう。

また、成長ホルモンの分泌には睡眠の長さだけではなく、睡眠の質も大きく関係しています。成長ホルモンの分泌量は入眠後90分後にピークを迎え、この時にいかに深い睡眠であるかが重要です。

睡眠の質を改善する方法としては

  • 入眠前に液晶を見ない(スマートフォンやパソコン、テレビ等)
  • 入眠3時間前の間に激しい運動を行わない
  • 静かな空間を作る
  • 十分に暗い空間を作る
  • 入眠前に入浴をし副交感神経を優位にさせる

などが挙げられます。

食生活を改善する

髪の毛の成長にはさまざまな栄養がかかせません。そのため、インスタントラーメンやハンバーガーなどのジャンクフードばかり食べていては髪の毛が十分に成長することができません。食生活を改善し、髪の毛に必要な栄養素を意識的に摂る必要があります。

特に取り入れるべき栄養素は以下の7種類です。

栄養素詳細
タンパク質髪の毛の基となる栄養素です。
髪の毛の成分は8割~9割はケラチンというタンパク質で生成されています。
鶏肉や牛肉、卵などからアミノ酸が豊富なタンパク質を摂取することができます。
システインシステインはアミノ酸の一種です。
ケラチンは18種類のアミノ酸から生成されるタンパク質ですが
最も含有率の高いアミノ酸がシステインです。
タンパク質の中に含まれているため、鶏肉や牛肉、卵などから摂取ができます。
メオチニンメオチニンはアミノ酸の一種です。
システインを合成するためのアミノ酸である上、ケラチンに合成されているアミノ酸の一種でもあります。
タンパク質の中に含まれているため、鶏肉や牛肉、卵などから摂取ができます。
亜鉛亜鉛はミネラルの一種です。
亜鉛はケラチンの合成を促進させる効果を持つ他、AGAの原因でもある5αリダクターゼを抑制する効果も持ちます。
牡蠣や豚レバー、牛肉の赤身などから摂取することができます。
ヨードヨードはミネラルの一種です。毛母細胞の分裂を促す働きがあります。
主に海藻類に含まれており、昆布やひじきなどから摂取することができます。
ビタミンB2ビタミンB2はビタミンB群の一種です。
毛母細胞の分裂を促進させる上、過剰な皮脂分泌の抑制など髪にとって様々な良い効果を持ちます。
レバーやハツ、卵などから摂取することができます。
イソフラボンイソフラボンはポリフェノールの一種です。AGAの原因である5αリダクターゼの抑制をサポオートする働きがある上、女性ホルモンであるエストロゲンの様な働きを持つため、AGAに対して効果的な成分です。
主に大豆から摂取することができます。

栄養バランスが大事といっても、常に栄養バランスを計算しながら食事を摂るのは、よほど意識の高い方でなければ難しいでしょう。サプリメントやプロテインなどの栄養補助食品を使用しても問題ありませんので、できることから始めてみましょう。

適度な運動を行う

適度な運動を行うことで、血行促進が期待できます。有酸素運動・無酸素運動どちらでも血行促進効果が期待できるため、ご自身が行いやすい運動からはじめてみるといいでしょう。

運動の時間を確保するのが難しいという方は、常日頃から体を動かすことを意識しましょう。例えばエスカレーターやエレベーターを使わず階段を使ったり、出前を使わずに近くの飲食店まで歩いてみるといったことでも構いません。

頭皮マッサージを行う

頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血行促進が期待できます。一回行うだけでも一時的に頭皮の血流量を増加させることができますが、平常時の血流増加をさせるためには、長期的に頭皮マッサージを行う必要があります。具体的には約6カ月行うと平常時の血流増加が期待できます。

頭皮マッサージに特別な技術は、さほど必要がないため、頭皮全体を揉み解すように押したり揉んだりしてみましょう。

まとめ

今回は生え際が後退する原因と対策方法について解説いたしました。本記事の重要なポイントは以下の5つです。

  • 生え際が後退する主な原因はAGA・血行不良・栄養不足・睡眠不足の4つ
  • 生え際が後退しはじめると髪のセットが決まらなくなったり髪の毛自体に変化が起こる
  • 10代~20代の場合でも男女問わず薄毛になる可能性は十分にある
  • ヘアサイクルの回数には上限があり、サイクルが終わってない場合には薄毛を改善できる見込みがある
  • 生え際の後退を止めるための対策方法としてはAGA治療や育毛剤・発毛剤の使用、生活習慣の見直しなどが挙げられる

薄毛の改善には、原因を特定しそれに対して適切なアプローチをすることが大切です。ご紹介した内容を踏まえて、まずは生え際が後退してしまっている原因からチェックしましょう。

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