お酒を飲みすぎると薄毛になるって本当?AGAとの関係性など解説します

  • 「髪の毛が薄くなってきたけど、毎日飲んでるお酒のせいなのかな」
  • 「お酒を飲むとAGAになりやすくなるって聞いたけど本当かな」

この記事を読まれている方は、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。そこで本記事では飲酒とAGAの関係性から、飲酒によって髪の毛に与える影響、対策方法などを解説します。

最後によくある質問についてもまとめてますので、ぜひお目通し下さい。

お酒を飲みすぎると薄毛が進行する可能性はある

結論から言うと、お酒を飲みすぎると薄毛が進行する可能性はあります。飲酒をすることで薄毛が進行する原因としては、主に以下の4つが挙げられます。

  • 髪の毛の成長に必要な栄養素がアルコール分解に使われてしまう
  • 薄毛の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させる
  • 糖質の摂りすぎによって皮脂の過剰分泌を招く
  • 睡眠の質が低下し成長ホルモンが十分に分泌されなくなる

それぞれ詳しく解説していきます。

髪の毛の成長に必要な栄養素がアルコールの分解に使われてしまう

お酒に含まれるアルコールは20%が胃によって吸収され、80%は小腸によって吸収されます。吸収された後は血管を通じて、肝臓に集められ酵素によってアセトアルデヒドという成分に分解されます。

アセトアルデヒドになった後は、再度酵素によって酢酸へと分解され、二酸化炭素と水に分けられた後、呼気や尿となり排出されます。

しかし、酵素が足りずに全てのアルコールがアセトアルデヒドへと分解できなかった場合は、アミノ酸を含むタンパク質やミネラルを用いてアルコールが分解されるのです。

アミノ酸やミネラルは髪の毛の成長のために大切な栄養素であり、アセトアルデヒドの分解に使われてしまうと、髪の毛へ十分に行き届かなくなってしまいます。

その結果、髪の毛が十分に成長できず痩せ細ってしまい、抜け毛へと繋がるのです。

薄毛の原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を増加させる

アセトアルデヒドはAGAの原因である男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」を増加させるとういう研究結果があります。

DHTは男性ホルモンのテストステロンと還元酵素の5αリダクターゼが結合することで生まれる男性ホルモンの一種であり、DHTはアンドロゲンレセプターと呼ばれる受容体と結合することで、脱毛因子であるTGF-βを生成します。

こういったことから、お酒を飲みすぎることでAGAの進行を加速させてしまうと言えるでしょう。

糖質の摂りすぎによって皮脂の過剰分泌を招く

ビールや梅酒などは糖質が多く含まれており、ビールに関しては500ml缶で約15gほど、梅酒にいたっては100mlで約21gもの糖質が含まれています。

糖質の過剰摂取によって直接的に抜け毛が増えるということはありません。しかし、糖質を摂りすぎることで皮脂の過剰分泌が起こるため、それによって毛穴が詰まってしまったり、酷い場合には脂漏性皮膚炎を起こし、頭皮環境を悪化させる恐れがあります。

脂質の高いおつまみばかり食べていると毛母細胞の活動が弱まる可能性もある

お酒を飲む際には、おつまみとして唐揚げや天ぷらなどの揚げ物がよく食べられますが、脂質の高い食事も薄毛を進行させる恐れがあります。

東京大学の研究によると高脂肪食の過剰摂取をすることで、毛母細胞の活動を弱め脱毛症を引き起こす可能性があると判明しているのです。
参考:「高脂肪食などによる肥満が薄毛・脱毛を促進するメカニズムの解明」―幹細胞における炎症・再生シグナルの異常が毛包の萎縮を引き起こす― – 東京大学医科学研究所

睡眠の質が低下し成長ホルモンが十分に分泌されなくなる

お酒を飲むと寝やすくなるという方が多くいますが、あくまでも入眠がしやすくなるというだけで、実は睡眠の質自体は下がっているのです。

アルコールを摂取することで発生するアセトアルデヒドは、睡眠を浅くしてしまう作用があります。髪の毛の基となる毛母細胞の活動にかかせない成長ホルモンは、男性の場合約6割が睡眠中に分泌されており、分泌量と睡眠の深さには相関関係があります。

そのため、アセトアルデヒドによって睡眠が浅い状態になってしまうと、成長ホルモンが十分に分泌されず、髪の毛の成長を阻害してしまうのです。

飲酒によってAGAが発症することはない

ここまで飲酒が薄毛を招く可能性があると解説させていただきましたが、飲酒が直接的な原因でAGAを発症させるということはありません。

先にも述べた通り、AGAとはジヒドロテストステロンと呼ばれる男性ホルモンが主な原因ではありますが、最終的に脱毛因子を発生させるまでの工程にある、アンドロゲンレセプターの量は遺伝によってほぼ定まっているのです。「ハゲは遺伝」と言われるのは、このことを指します。

そのため、いくらDHTが増えたところでそれを受け取るだけのアンドロゲンレセプターがなければ脱毛因子を発生させることはありませんが、アンドロゲンレセプターが十分な量ある場合にはAGAを加速させる要因にはなるでしょう。

また、AGAはあくまでも薄毛の原因の一つであり、血行不良や栄養不足などによって薄毛が進行することもあります。そのため、いずれにしてもお酒はほどほどにするべきでしょう。

どうしても飲酒をしたい場合に意識するべき3つのこと

どうしてもお酒を飲みたい時や、飲まなければいけない時もあるでしょう。お酒の量をほどほどにするという点は大前提の上、そういった中でいかに髪の毛への悪影響を抑えるために、何を意識するべきかを、以下の3つご紹介いたします。

  • アセトアルデヒドを分解するための栄養素をサプリメントで摂っておく
  • ハイボールなど糖質の低いお酒を選ぶようにする
  • おつまみは脂質の低いものを選ぶようにする

それぞれ詳しく解説していきます。

アセトアルデヒドを分解するための栄養素をサプリメントで摂っておく

アセトアルデヒドを分解する際には体内の酵素が用いられますが、酵素が足りなくなった場合はアミノ酸やミネラルなどの栄養素が代わりに使われます。

そのため、予めにそれらの栄養素を十分に摂っておくというのも、髪の毛への影響を抑えるという点では有効的です。

アセトアルデヒドの分解に使われる栄養素としては

  • タンパク質(アミノ酸を豊富に含むもの)
  • 亜鉛
  • ビタミンB1
  • オルニチン

などが挙げられます。食事による摂取が難しい場合には、サプリメントやプロテインから摂取しても構いません。また、ビタミンCはアセトアルデヒドの分解を促進させる働きがあるため、併せて摂取すると良いでしょう。

ハイボールなど糖質の低いお酒を選ぶようにする

先にも述べた通り、ビールや梅酒などは糖質が多く含まれており、皮脂の過剰分泌を招く恐れがあります。そのため、お酒を飲む際にはハイボールやワインなど、糖質が低いお酒を選ぶようにしましょう。

ウイスキーや焼酎などの蒸留酒も糖質が低く、ストレートやロックで飲む場合には問題ありませんが、甘いソーダやジュースなどで割ってしまうと糖質が増えてしまうため、割り方にも注意が必要です。

おつまみは脂質の低いものを選ぶようにする

お酒を飲む際には、どうしても揚げ物など濃い味付けのおつまみを食べがちですが、そういった中でもなるべく脂質の低いものを選ぶようにしましょう。

具体的には、白身魚や鶏肉のソテー、枝豆などが挙げられます。

飲酒と薄毛に関するよくある質問

最後に飲酒と薄毛に関するよくある質問について回答いたします。

Q. お酒を飲みすぎると髪がパサつくというのは本当ですか?

過剰なアルコール摂取を続けると、髪の毛に必要な栄養素や成長ホルモンが不足してしまい、健康的な髪の毛が育たないことがあります。

頭皮から出ている髪の毛は死滅細胞のため、1日~2日お酒を飲んだ程度で影響が及ぶことは考えづらいですが、毎日のようにお酒を飲んでいると、髪がパサつくということは十分に考えられます。

Q. 禁酒すると髪の毛が増えるというのは本当ですか?

飲酒によって栄養・成長ホルモンが不足しているという状態になり、薄毛が進行している場合には禁酒することで髪の毛が増えることはあるでしょう。

しかし、薄毛の原因がAGAの場合には禁酒によって得られる効果は限定的です。AGAの疑いがある場合には専門のクリニックなどへ行き、AGA治療薬による治療をはじめましょう。

まとめ

今回は飲酒とAGAの関係性について解説させていただきました。本記事で重要なポイントは以下のxxつです。

  • 飲酒によってAGAが発症するということはないが、薄毛を進行させる可能性は十分にある
  • 飲酒をする場合にはアセトアルデヒドを分解するための栄養素をあらかじめ摂取しておくこと
  • お酒やおつまみを選ぶ際には低脂質・低糖質であることを意識する

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