薄毛を改善するためにはヘッドスパでは不十分!ヘッドスパの効果や他の対策方法についても解説します

  • 「ヘッドスパをすれば薄毛が改善できるって本当かな」
  • 「ヘッドスパには頭皮や髪にとってどんな効果が期待できるんだろう」

この記事を読まれている方は、このような悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。そこで本記事ではヘッドスパによる薄毛の改善効果について詳しく解説いたします。

最後にはよくある質問についてもまとめているので、ぜひお目通しください。

ヘッドスパで得られる薄毛対策の効果は限定的

ヘッドスパでは主に頭皮の洗浄やマッサージ、ヘアトリートメントなどの施術を行い、頭皮や髪の健康を維持するという効果を持つとされています。

しかし、ヘッドスパだけでは薄毛対策の効果は限定的です。というのも薄毛の原因はさまざまであり、特にAGAの場合には男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)を抑制する必要があるため、頭皮洗浄や頭皮マッサージ程度では気休め程度にしかなりません。

ヘッドスパがどれだけ髪の毛に対して影響をもたらすのか、ヘッドスパによって期待できる効果から解説していきます。

  • 血行促進
  • 毛穴の詰まり解消

血行促進

髪の毛の栄養は血によって頭皮へと運ばれ、髪の毛の基となる毛母細胞へと毛乳頭を介して受け渡されていきます。そのため、血行不良の状態では髪の毛に栄養が行き渡らずハリやコシのある髪に成長することができないのです。

こういったことから、頭皮の血流量は髪の成長にとっては重要なポイント。ヘッドスパを行うことで頭皮の血流量が増加することも期待できるでしょう。

しかし、頭皮マッサージを行って血流が良くなるのは一時的なものです。平常時の血流を増加させるためには、毎日1回の頭皮マッサージを半年ほど続ける必要があります。

そのため、月に1回ヘッドスパに行く程度では平常時の血流を増加させるには不十分なのです。

毛穴の詰まり解消

皮脂や整髪剤などによって毛穴が詰まってしまうと、髪の毛の成長を阻害してしまう恐れがあります。ヘッドスパでは毛穴の洗浄なども行ってくれるため、毛穴の詰まりを解消できるでしょう。

毛穴が洗浄されることで、頭皮環境が良くなることは間違いありませんが、毛穴の詰まりが薄毛に与える影響は、よほど髪の毛を洗っていない方でない限りは微々たるものです。

毛穴の詰まりを根こそぎ解消しなければ薄毛になるということであれば、ほとんどの方は整髪剤を使用していないでしょう。しかし、これだけ多くの人が整髪剤を使用していることを考慮すると、基本的にはシャンプーでしっかりと落とすだけで十分なのです。

こうしたことから、ヘッドスパによって得られる薄毛対策の効果は極めて限定的と言えるでしょう。

そもそも薄毛になってしまう原因

ヘッドスパによる薄毛対策の効果が極めて限定的であることをお分かりいただけたかと思います。薄毛にはさまざまな原因が挙げられ、薄毛を改善するためにはその原因に対して適切なアプローチをとっていくことが重要です。

そこで、まずは薄毛になってしまう原因について、大きく以下の4点を解説いたします。

  • AGA(男性型脱毛症)
  • 血行不良
  • 栄養不足
  • 睡眠不足

AGA(男性型脱毛症)

薄毛の原因として代表的なものがAGA(男性型脱毛症)です。

AGAを発症すると、生え際である前頭部または頭頂部から徐々に薄毛になっていき、最終的には前頭部から頭頂部にかけて、髪の毛が無くなります。

AGAが発症する原因

AGAが発症する原因としては、男性ホルモンが大きく関係しています。

男性ホルモンであるテストステロンと、還元酵素である5αリダクターゼが結合することで、DHT(ジヒドロテストステロン)と呼ばれる男性ホルモンが生まれます。

そして、DHTは毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体(アンドロゲンレセプター)に結合し、脱毛因子であるTGF-βを増やすのです。

TGF-βの働きによって、髪の毛の基となる毛母細胞の増殖は抑制され、髪の毛の成長期が極端に短くなることから、徐々に薄毛が進行していきます。

「ハゲは遺伝」とよく言われますが、これは男性ホルモン受容体の量が遺伝によって大きく左右されるためです。いくらDHTの生成量が多くとも、受容体が少なければ脱毛因子が増えることはありません。

また、受容体の量については母親から遺伝するため、母方の家系に薄毛の方がいる場合には注意した方がいいでしょう。

血行不良

血行不良とは血液の流れが悪くなること。何故、血行不良が薄毛に繋がるかと言うと、先にも述べた通り、髪の毛の栄養は血液を介して髪の毛に届けられているためです。

毛母細胞の生成にはタンパク質をはじめとした、さまざまな栄養素が必要となり、血行不良によってこれらの栄養素が十分に頭皮へと届けられないと、髪の毛が十分に成長できず、細く短い毛が増え、薄毛になります。

血行不良になる原因

血行不良になる原因はさまざまですが、生活習慣の乱れが主な原因として考えられます。具体的には

  • 運動不足
  • ストレス
  • 慢性的な睡眠不足
  • 食生活の乱れ(ビタミン群の不足)

といった内容が挙げられます。血行不良になると薄毛を引き起こすだけでなく、肩こりや腰痛、冷え性などの症状も引き起こしてしまいます。

栄養不足

髪の毛が作られる際には、多くの栄養素が必要です。そのため、偏った食生活をしていると、栄養が足りずに髪の毛が十分に成長できず、薄毛を引き起こしてしまうこともあります。

髪の毛の8割~9割はケラチンと呼ばれるタンパク質で作られており、このタンパク質は18種類ものアミノ酸によって構成されています。

こう聞くと「じゃあ、タンパク質だけ摂れば髪の毛の栄養は問題ないか」と考える方もいますが、それは間違いです。タンパク質が合成されるにあたって、ビタミン群やミネラルなど様々な栄養素が必要となるため、満遍なく摂取する必要があります。

慢性的な睡眠不足

髪の毛の基となる毛母細胞が活性化するにあたって、成長ホルモンは重要な役割を担っています。男性の場合、成長ホルモンの約6割は睡眠中に分泌されると言われており、慢性的な睡眠不足が続くと、成長ホルモンが十分に分泌されません。

成長ホルモンの分泌量が減ると、当然毛母細胞の活動も弱まり、薄毛に繋がってしまうのです。

成長ホルモンの分泌には睡眠の質の良し悪しも重要

成長ホルモンの分泌には睡眠の質も重要です。成長ホルモンの分泌量は睡眠から90分後にピークを迎えますが、この時にレム睡眠(浅い睡眠)ではなくノンレム睡眠(深い睡眠)の状態である必要があります。

薄毛を改善するための対策方法

ここからは薄毛を改善するための具体的な対策方法について、以下の4つをご紹介させていただきます。

  • AGA治療を受ける
  • 育毛剤を使用する
  • 生活習慣を見直す
  • 頭皮マッサージを行う

それぞれ詳しく解説していきます。

AGA治療を受ける

薄毛の原因がAGAである場合、AGA治療を受けるのが最も薄毛対策に効果的であると言えるでしょう。治療と聞くとハードルが高く聞こえますが、主な治療内容としては内服薬を用いたものがほとんどです。

治療に使用される薬剤としてはフィナステリド・デュタステリド・ミノキシジルタブレット(又は外用薬)の3種類。フィナステリドとデュタステリドにはDHTの基となる5αリダクターゼの活動を抑制し、ミノキシジルタブレットは毛母細胞・毛乳頭の活性化と血行促進の効果があります。

母方の家系に薄毛の人がいる場合など、AGAの疑いがある場合には一度クリニックで診察を受けてみると良いでしょう。

育毛剤・発毛剤を使用する

育毛剤は頭皮環境の改善および抜け毛の防止効果があります。具体的には血行促進効果や保湿効果などが挙げられ、育毛剤は「これ以上、髪の毛を減らしたくない」という方におすすめの対策方法です。

逆に「髪の毛を増やしたい」という場合には発毛剤を使用する必要があります。育毛剤には直接的に発毛を促進させる効果のある成分が含まれておらず、それらの成分が配合されたものは発毛剤という扱いになるのです。

発毛剤には厚生労働省にも効果が証明されているミノキシジルが配合されており、先に述べた通り、毛母細胞・毛乳頭の活性化と血行促進の効果によって、発毛が期待できます。

育毛剤と発毛剤のどちらもドラッグストアで購入ができるので、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

生活習慣を見直す

原因の章でも述べた通り、薄毛の原因には、栄養不足や睡眠不足などさまざまな生活習慣が大きく関係しています。そのため、薄毛に悩みはじめたら、まずは生活習慣の見直しから行いましょう。

実践する内容としては、主に以下の3つが挙げられます。

  • 睡眠を改善する
  • 食生活を改善する
  • 適度な運動を行う

それぞれ詳しく解説していきます。

睡眠を改善する

先にも述べた通り、髪の毛の基となる毛母細胞の増殖には成長ホルモンがかかせません。そして、成長ホルモンを十分に分泌させるためには、睡眠の長さと質が重要です。

適切な睡眠の長さは人によって異なり、実は未だに十分な研究データはありません。ただ、厚生労働省が発表している「健康づくりのための睡眠指針」では6時間~8時間ほどを目安としている上、成長ホルモンの分泌が落ち着く頃は入眠から6時間経過したあたりのため、6時間~8時間ほどの睡眠を取ればよいでしょう。

また、成長ホルモンの分泌には睡眠の長さだけではなく、睡眠の質も大きく関係しています。成長ホルモンの分泌量は入眠後90分後にピークを迎え、この時にいかに深い睡眠であるかが重要です。

睡眠の質を改善する方法としては

  • 入眠前に液晶を見ない(スマートフォンやパソコン、テレビ等)
  • 入眠3時間前の間に激しい運動を行わない
  • 静かな空間を作る
  • 十分に暗い空間を作る
  • 入眠前に入浴をし副交感神経を優位にさせる

などが挙げられます。

食生活を改善する

髪の毛の成長にはさまざまな栄養がかかせません。そのため、インスタントラーメンやハンバーガーなどのジャンクフードばかり食べていては髪の毛が十分に成長することができません。食生活を改善し、髪の毛に必要な栄養素を意識的に摂る必要があります。

特に取り入れるべき栄養素は以下の7種類です。

栄養素詳細
タンパク質髪の毛の基となる栄養素です。
髪の毛の成分は8割~9割はケラチンというタンパク質で生成されています。
鶏肉や牛肉、卵などからアミノ酸が豊富なタンパク質を摂取することができます。
システインシステインはアミノ酸の一種です。
ケラチンは18種類のアミノ酸から生成されるタンパク質ですが
最も含有率の高いアミノ酸がシステインです。
タンパク質の中に含まれているため、鶏肉や牛肉、卵などから摂取ができます。
メオチニンメオチニンはアミノ酸の一種です。
システインを合成するためのアミノ酸である上、ケラチンに合成されているアミノ酸の一種でもあります。
タンパク質の中に含まれているため、鶏肉や牛肉、卵などから摂取ができます。
亜鉛亜鉛はミネラルの一種です。
亜鉛はケラチンの合成を促進させる効果を持つ他、AGAの原因でもある5αリダクターゼを抑制する効果も持ちます。
牡蠣や豚レバー、牛肉の赤身などから摂取することができます。
ヨードヨードはミネラルの一種です。毛母細胞の分裂を促す働きがあります。
主に海藻類に含まれており、昆布やひじきなどから摂取することができます。
ビタミンB2ビタミンB2はビタミンB群の一種です。
毛母細胞の分裂を促進させる上、過剰な皮脂分泌の抑制など髪にとって様々な良い効果を持ちます。
レバーやハツ、卵などから摂取することができます。
イソフラボンイソフラボンはポリフェノールの一種です。AGAの原因である5αリダクターゼの抑制をサポオートする働きがある上、女性ホルモンであるエストロゲンの様な働きを持つため、AGAに対して効果的な成分です。
主に大豆から摂取することができます。

栄養バランスが大事といっても、常に栄養バランスを計算しながら食事を摂るのは、よほど意識の高い方でなければ難しいでしょう。サプリメントやプロテインなどの栄養補助食品を使用しても問題ありませんので、できることから始めてみましょう。

適度な運動を行う

適度な運動を行うことで、血行促進が期待できます。有酸素運動・無酸素運動どちらでも血行促進効果が期待できるため、ご自身が行いやすい運動からはじめてみるといいでしょう。

運動の時間を確保するのが難しいという方は、常日頃から体を動かすことを意識しましょう。例えばエスカレーターやエレベーターを使わず階段を使ったり、出前を使わずに近くの飲食店まで歩いてみるといったことでも構いません。

頭皮マッサージを行う

頭皮マッサージを行うことで、頭皮の血行促進が期待できます。一回行うだけでも一時的に頭皮の血流量を増加させることができますが、平常時の血流増加をさせるためには、長期的に頭皮マッサージを行う必要があります。具体的には約6カ月行うと平常時の血流増加が期待できます。

頭皮マッサージに特別な技術は、さほど必要がないため、頭皮全体を揉み解すように押したり揉んだりしてみましょう。

ヘッドスパに関するよくある質問

最後にヘッドスパに関するよくある質問についてまとめました。

Q. ヘッドスパをすると抜け毛が増えたのですが、何故でしょうか?

ヘッドスパを行ったことで抜け毛が増えた場合の原因としては、頭皮環境の悪化が考えられます。頭皮環境が悪化する原因として考えられることは以下の3点です。

  • 洗浄の際に皮脂を落とし過ぎてしまい頭皮が乾燥してしまった
  • 使用した薬剤が皮膚に合わず炎症を起こしてしまった
  • マッサージによって起こる摩擦で頭皮が乾燥してしまった

もし頭皮に痒みや炎症も無く、肌が白色の状態であればヘッドスパ以外の理由が考えられます。

Q. ヘッドスパをすることで抜け毛が減るのは本当ですか?

ヘッドスパを行うことで抜け毛が減るというのは半分本当で半分嘘です。半分本当というのは、冒頭でも説明した通り、一時的な血流増や頭皮の洗浄による頭皮環境の改善によって、得られる育毛効果はゼロではないためです。

しかし、平常時の血流増加をさせるためには毎日継続して頭皮マッサージを行う必要がある上、よほど頭皮が汚れていない限りは頭皮洗浄をしたからといって、急激に髪の毛が成長するという訳でもありません。

そのため、もし抜け毛予防のためだけでヘッドスパに行くことはオススメできません。

まとめ

今回はヘッドスパが薄毛対策には不十分であることを解説いたしました。本記事で重要なポイントは以下のxつです。

  • ヘッドスパを行っても薄毛の抜本的な解決にはならない
  • ヘッドスパを行って得られる育毛・発毛の効果はかなり限定的である
  • 薄毛を改善するためには原因を知って適切なアプローチをすることが重要

関連記事