育毛剤は薄毛対策に有効的な手段の一つ。しかし、効果について正しい知識を持っていないと「使っても全く意味がなかった」なんて後悔してしまうこともあります。
そこで本記事では育毛剤の効果をはじめ、発毛剤との違いについて解説いたします。ぜひ最後までお目通しください。
目次
そもそも髪が生える仕組みとは
育毛剤や発毛剤に関するご説明の前に、まずは髪の毛がどのようにして生えるのかについて解説いたします。
髪の毛が生えている皮膚のくぼみの部分を毛包といい、その一番底には毛乳頭と呼ばれる細胞があります。毛乳頭は毛細血管から運ばれてきた酸素や栄養素を補給し、周辺に毛母細胞を作り出します。
この毛母細胞が髪の毛の基となる細胞であり、分裂・増殖を繰り返した末に外へ外へと押し出されていき、それに合わせて髪の毛へと変化していくのです。
毛母細胞は永遠に分裂・増殖を繰り返す訳ではない
毛母細胞は永遠に分裂・増殖を繰り返す訳ではなく、3年~5年ほどの成長期が過ぎると細胞分裂を停止し、休止期に入ります。そして、活動が止まった毛母細胞は最終的に全て角化し抜け落ちるのです。
その後は数か月ほどの休止期を経て、再び成長期が始まり髪の毛が作られていきます。
成長期や休止期を繰り返すことを「ヘアサイクル」と呼ぶ
成長期や休止期を繰り返すことを「ヘアサイクル」と呼びます。ヘアサイクルの回数は一生のうちに20~40回程度と言われており、ヘアサイクルが終わると髪の毛が生えなくなります。
AGA(男性型脱毛症)を発症すると成長期が極端に短くなる
先の通り成長期は3年~5年ほどの長さですが、AGAを発症すると成長期が極端に短くなります。
成長期が短くなると、髪の毛は十分に成長し切れません。そのため、徐々に細く短い毛が目立つようになっていき、薄毛になるのです。
育毛剤の効果は「抜け毛の予防」
髪の毛が生える仕組みについてご理解いただけたところで、ここからは育毛剤の効果について解説いたします。
育毛剤の主な効果は抜け毛の予防。血行を促進させる成分によって髪の毛が十分に成長できるようにしたり、頭皮の乾燥や過剰な皮脂分泌を抑えて、皮膚トラブルからの抜け毛を予防したりします。
育毛剤はあくまでも今ある髪の毛を維持するために使うものであり、「髪の毛を増やして薄毛を改善したい」という方には向いておらず、今ある髪の毛を維持したい方や髪のハリ・コシを改善したい方におすすめです。
発毛剤の効果は「新たに髪の毛を生やす」
発毛剤の主な効果は、その名の通り発毛。新たに髪の毛が生えるように作用します。
発毛剤には発毛成分の「ミノキシジル」が配合されている
育毛剤との決定的な違いは、「ミノキシジル」と呼ばれる発毛成分の有無です。
ミノキシジルは厚生労働省が発毛効果のある成分と認めており、日本皮膚科学会が発表している「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017年版」においても、その効果が高く評価されています。
ミノキシジルの作用としては毛乳頭や毛母細胞を活性化させる他、血行を促進させるといったものです。
ミノキシジルには副作用もある
発毛効果が認められているミノキシジルですが、副作用もあります。
外用薬(頭皮に塗布するタイプのもの)の場合には発疹や皮膚炎などが確認されていますが、この副作用は他の外用薬も同様に起こり得るものであり、ミノキシジルを含まない育毛剤についても同様です。
ミノキシジル特有の副作用としては以下の内容が挙げられます
- 浮動性めまい
- 頭痛
- 動悸
- 血圧低下
こういった副作用があることから、ミノキシジルを含む発毛剤は第一類医薬品に指定されており、購入時には薬剤師からの説明を受けなければいけません。
育毛剤と発毛剤は併用してもいいのか
これまでの内容を踏まえると「育毛剤と発毛剤を併用すれば効率よく薄毛対策ができるのでは?」と考える方もいるかと思います。
しかし育毛剤と発毛剤の併用は必ず避けるようにしましょう。ほとんどの育毛剤・発毛剤の注意書きにも他の商品と併用しないようにと記載がされています。
併用してはいけない理由としては主に以下の2点が挙げられます。
- 各成分の吸収や効果を妨げる恐れがある
- 副作用が強くなる恐れがある
成分の吸収や効果を妨げる恐れがある
育毛剤と発毛剤を併用することで成分の吸収や効果を妨げる恐れがあります。多くの育毛剤・発毛剤はその商品一つで効果が十分に発揮されるよう、配合成分の濃度や割合などが設計されています。
しかし育毛剤と発毛剤を併用することで、そのバランスが崩れてしまい成分の吸収や効果が妨げられる恐れがあります。
副作用が強くなる恐れがある
育毛剤・発毛剤に含まれている成分の中には、1日の摂取量が定められているものもあります。それぞれを併用してしまうと、摂取量の基準値を超えてしまう恐れがあり、かえって効果が弱まってしまったり、副作用が強くでたりする恐れがあります。
また、成分の組み合わせについても良い組み合わせと悪い組み合わせがあるため、育毛剤と発毛剤の併用は避けましょう。
育毛剤に関するよくある質問
最後に育毛剤に関するよくある質問について、まとめて回答いたしました。
Q. 育毛剤はどれぐらいの期間使用すれば効果を実感できますか?
A. 最低で6カ月の期間が必要です
個人差はありますが、育毛剤の効果を実感するには最低でも6カ月の期間が必要です。1カ月~2カ月使用して効果が見られなくとも、継続して使用することで育毛効果が期待できます。
Q. 市販の育毛剤・発毛剤に効果が無いというのは本当ですか?
A. 発毛効果はありませんが、抜け毛予防の効果はあります
まず、育毛剤は抜け毛予防が主な効果であり、発毛に対して直接的なアプローチをかけるものではありません。そのため、この場における「効果」が「発毛効果」を指している場合には、市販の育毛剤には効果がないでしょう。
発毛剤の場合には市販品の場合においても発毛効果を発揮します。
まとめ
今回は育毛剤と発毛剤の効果について解説させていただきました。本記事の重要なポイントは以下の4つです。
- 育毛剤には直接的な発毛効果がない
- 育毛剤は今ある髪の毛を維持したい方におすすめ
- 発毛剤は新たに髪の毛を生やしたい方におすすめ
- 育毛剤と発毛剤を併用してはいけない
ご自身の悩みに合わせて、育毛剤と発毛剤を使い分けるようにしましょう。