「最近頭皮がかゆくて辛い」
「抜け毛が急に増えたけど、このままはげてしまうの?」
上記のような悩みをお持ちの方は多いものです。
頭皮の炎症や抜け毛、薄毛の改善に有効で手軽に試せる方法があれば、ヘアケアを行いやすいのではないでしょうか。
そこで、今回は薬用としても親しまれている植物、アロエの髪の毛への効果について紹介します。
アロエが髪によい理由や具体的な効果、アロエを使った育毛の方法などについて触れていきますので、ぜひ最後までお見通しください。
目次
アロエで髪の毛が育つ理由とは?
アロエが髪の毛によいとされる理由は、下記に挙げる3つの働きがある成分を豊富に含んでいるためです。
- 抗菌作用のあるサポニン
- 毛母細胞の働きをサポートするタンニン
- 抗炎症作用・保水効果の高いムコ多糖類
以下にて、それぞれの成分の詳細を解説します。
抗菌作用のあるサポニン
アロエには強い殺菌・抗菌力を持つ成分、サポニンなどが豊富に含まれており、雑菌の増殖が原因で生じるかゆみの予防・改善をサポートします。
そもそも、頭皮にはアクネ菌や表皮ブドウ球菌、マラセチア真菌などの常在菌が存在し、頭皮の正常な環境を守る役割を担っています。しかし何らかの要因によってこれらの菌が大量に増殖してしまうことで、ひどいかゆみが生じることに。
そこでアロエに含まれるサポニンは、頭皮における菌の繁殖を抑制してくれるのです。実際、インドのヴィスヴァバラティ大学の研究では、サポニンが細菌・真菌の働きを抑制する作用を持つことが分かっています。
参考:Antimicrobial activity of saponins from Acacia auriculiformis
毎日のヘアケアにアロエを取り入れることによって、頭皮のかゆみの改善を目指していけるでしょう。
毛母細胞の働きをサポートするタンニン
アロエに含まれるポリフェノールの一種、タンニンには髪の毛の成長をサポートする働きがあります。そもそもポリフェノールとは血中への吸収性が高く強い抗酸化作用のある成分であり、タンニンにも同様の作用があります。
実際、スペインの化学環境研究所(IIQAB-CSIC)の研究では、タンニンが毒性の強い活性酸素から赤血球を保護する作用を持つことが分かりました。参考:Highly galloylated tannin fractions from witch hazel (Hamamelis virginiana) bark: electron transfer capacity, in vitro antioxidant activity, and effects on skin-related cells
また、フランスのモンペリエ2世大学の研究によると、タンニンには血中の余分なコレステロールを回収する善玉コレステロールを保持する作用を持つとされています。参考:Dietary grape seed tannins affect lipoproteins, lipoprotein lipases and tissue lipids in rats fed hypercholesterolemic diets
アロエをヘアケアに用いることで頭皮の血管の強化・血行の改善をサポート。
血によって運ばれる栄養素・酸素を元に活性化する毛母細胞の働きを間接的に促すことができるのです。
抗炎症作用・保水効果の高いムコ多糖類
アロエには抗炎症力・保水力の高いムコ多糖類が豊富に含まれています。ムコ多糖類とはアミノ酸や糖質、ウロン酸などから成る粘液質の多糖類を指し、美容成分として広く知られるヒアルロン酸やコンドロイチン硫酸、ヘパリンなどを総称するものです。
ムコとは粘性を意味しており、アロエに粘り気があるのはムコ多糖類を多く含むため。アロエをヘアケアに使用することによって頭皮は保水・保湿され、皮膚のかゆみや赤み、フケといった炎症の抑制をサポートすることができるのです。
アロエの髪の毛・頭皮への効果とは?
アロエを使ったヘアケアの長期的な継続は、下記に挙げる効果をサポートしてくれます。
- 髪の毛が伸びる
- 白髪を防ぐ
- 髪の毛がサラサラになる
そこで、髪・頭皮に対してどういった効果があるのかを、以下にて具体的に解説します。
髪の毛が伸びる
アロエは先に述べた通り、頭皮の血行を改善することによって毛母細胞の働きを活性化させる働きがあります。
髪は毛母細胞が分裂・増殖を繰り返すことによって毛根から押し上げられるように形成されていくもの。そして毛髪の形成における代謝スピードは非常に早いため、多くの栄養素・酸素を要するのです。
長期的にアロエをヘアケアに使用することによって頭皮の血流が改善されると、血によって栄養素・酸素が毛乳頭まで運ばれやすくなり、育毛へとつながるのです。
白髪を防ぐ
アロエには白髪を防ぐ効果が期待されています。そもそも白髪とは黒色の色素であるメラニンが髪に行き届いていない状態のこと。そしてメラニン色素の原料となるのがアミノ酸のチロシンです。
アロエは、チロシンやその原料となる必須アミノ酸フェニルアラニン、ケラチンの材料となる必須アミノ酸リジンなどを含有しており、健全な黒髪の育成をサポート。また、チロシンからメラニン色素が生成される際に必要となるミネラルの銅も含まれているため、まさに白髪の改善に必要な栄養素の宝庫といえるでしょう。
髪の毛がサラサラになる
アロエには髪をサラサラにする効果があります。なぜなら、アロエには頭皮の環境を整え毛髪の形成をサポートしてくれるビタミン類が豊富に含まれているためです。
含有ビタミンの内訳は、ビタミンAやビタミンB群、ビタミンCやビタミンEなど多岐にわたり、これら全ては健全な髪の毛を生み出す作用のある栄養素。
例えば、ビタミンB2は髪を形成する毛母細胞の活性をサポートしたり、頭皮の皮脂の抑制・血中の過酸化脂質の除去などを促したりする働きがあります。また、ビタミンB6においてはタンパク質の分解・アミノ酸の合成に作用し、髪のもととなるケラチンの合成には必要不可欠。
そして、ビタミンCにはコラーゲンの維持・血行の改善などへの働きがあり、健全な頭皮の環境をサポートします。
日常的にアロエでヘアケアを行うことによって、髪の毛のハリ・潤いをキープしサラサラヘアを目指すことができるでしょう。
アロエを使った育毛方法について
ここまでアロエが髪によい理由・具体的な効果について説明しましたが、アロエを使った育毛方法には下記が挙げられます。
- 市販のアロエジェルを使用する
- 育毛剤を手作りする
- アロエベラを直接頭皮に塗る
以下にて、具体的な手順を紹介します。
市販のアロエジェルを使用する
市販のアロエジェルは、有効成分が集中しているアロエ葉の内側にあるジェル部分を製品化したもの。手軽に使えて便利な反面、安価な商品の中には添加物が多くアロエの含有量が少ないものもあります。購入の際には、成分表をしっかりと確認しておくことが重要といえるでしょう。
ここで、市販のアロエジェルを使ったヘアケア方法の例を下記に紹介します。
- アロエジェルを直接頭皮に塗る
- アロエジェルを普段使用しているコンディショナーに混ぜる
- アロエジェルをココナッツオイルなどに混ぜ、ヘアパックとして使用する
市販のアロエジェルはそのまま使うことも混ぜて使うこともできるため、使い勝手のよい商品といえるでしょう。
育毛剤を手作りする
自分でアロエを育てている場合、アロエ本来の成分を活かした育毛剤を手作りすることができます。手作り育毛剤のメリットは何といっても有効成分を直接頭皮に浸透させることができる点。余計な添加物が含まれていないため、効果面・安全面ともに優れているといえるでしょう。
一方、防腐剤を添加していないため消費期限が短いといったデメリットもあります。安心して使用するためにも、育毛剤を手作りした日付・期限を迎える日付をラベリングしておくことがおすすめ。また、アロエによるアレルギーが生じないかどうかを確認するため、事前にパッチテストを行っておくと良いでしょう。
ここで、アロエを使った育毛剤の作り方を紹介します。アルコールを使用した保存性の高い育毛剤と低刺激なアルコールフリーの育毛剤について紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
アルコールを使用した育毛剤
材料
- キダチアロエ:500g程度(葉6,7本相当)
- ホワイトリカー:1800cc
作り方
- キダチアロエを1cm程度の間隔で輪切りにする
- 3日間、陰干しする
- 2とホワイトリカーをガラス瓶に混ぜ入れる
- 常温で2週間から1ヶ月程度保存する。(直射日光は避けること)
- 全体が黄色く変色したところでアロエを取り除く。
- 完成
※使い方としては、直接頭皮に塗布することも普段使いのシャンプーに混ぜて使用することも可能です。消費期限は3ヶ月程度となるので、日付を忘れないよう管理しておきましょう。
アルコールフリーの育毛剤
材料
- アロエ葉:適量
作り方
- アロエ葉の表面をむき取り、果肉を取り出す
- 1をフードプロセッサーにかける
- 2を鍋に入れ、30分程度火にかける。
- 3に残っている果肉をこし取る
- 完成
※使い方としては洗髪後に頭皮につけてマッサージし、洗い流します。その後、コンディショナーなどを使用しても大丈夫です。消費期限は1週間から2週間程度と短めなため、作りすぎに注意しましょう。
アロエベラを直接頭皮に塗る
アロエを直接頭皮に塗る育毛方法は、消費期限や添加物、作ったり購入したりする手間を考慮する必要がないため、最も手軽な方法といえます。自宅でアロエを育てている場合、試してみるとよいでしょう。
使用するアロエの種類は刺激性の少ないアロエベラがおすすめです。アロエを頭皮に塗る方法はいたってシンプル。準備はアロエの葉から棘のある部分を切り取り、平面に分割するだけです。これを頭皮に塗る際は、果肉部分を頭皮に向けた状態にして頭皮全体に刷り込むようにしましょう。
ただし、アロエを直接頭皮に塗り込む際も手作り育毛剤のときと同様、頭皮に使用する前に体の目立たない部位でパッチテストを行っておくことをおすすめします。
アロエを使ったヘアケアでよくある質問
アロエをヘアケアに使用するにあたって、よく挙がる質問を紹介します。
Q.髪の毛に塗ったアロエジェルは洗い流すか流さないかどちらがいいですか?
髪の毛に塗ったアロエジェルは、市販のものであれ天然のものであれしっかりと洗い流す必要があります。
頭皮にアロエジェルが付着したままの状態では、雑菌の繁殖を引き起こすことになりかねません。
アロエジェルで1時間程度のヘアパックを行うことは髪の育成に有効ですが、処置後はアロエジェルや果肉の残留がないように丁寧に洗い流しましょう。
Q.アロエジェルを髪の毛に使うやり方・順番はどうすればいいですか?
アロエジェルを髪の毛に使うポイントとして、コンディショナーやオイルに混ぜ込むときにアロエとの割合が1対1となるように調整することがおすすめ。
アロエジェルと油分が馴染むように筋が残らなくなるまでしっかりと混ぜ込み、髪に丁寧に塗布します。
またアロエジェルを頭皮に直接塗布する場合は、洗髪する前に行いましょう。
指先でしっかりと頭皮にジェルを浸透させたら1時間程度放置。その後シャンプーで洗い流し、コンディショナーなどで髪を整えます。
Q.アロエジェルで髪の毛は茶色くなりますか?
アロエジェルでヘアケアを始めてから、白髪の中に茶色の毛髪が増えてきたという口コミがあります。これは、先に述べたアロエの白髪を予防する作用が働いているためといえるでしょう。
アロエジェルによってメラニン色素の生成が促進されたり頭皮の環境が整ったりすることで、次第にメラニン色素が白髪に渡されていきます。髪が茶色くなるのは、この過程なのです。
Q.アロエジェルは乾いた髪に塗っても大丈夫ですか?
アロエジェルは乾いた髪にも使用でき、静電気の防止やヘアセット、パサつきの防止などにおすすめです。ただし、乾いた髪に使用する際はベタつきやすくなるため、少量の使用としましょう。
Q.アロエジェルではげることはありますか?
アロエの成分もしくはジェルに含まれる添加物に対してアレルギーがある場合、アロエジェルを頭皮に使用すると炎症を引き起こしてしまう可能性があります。頭皮の炎症は抜け毛の大きな要因となるものです。
Q.アロエを使った育毛剤にはどんな口コミがありますか?
アロエを使った育毛剤の口コミには、「髪のハリつやがでた」や「頭皮が柔らかくなった」、「白髪が茶色くなった」などといった内容が見受けられます。
よい口コミが総じて多い印象ですが、中には「効果が実感できない」、「頭皮が赤くなった」などの悪い口コミも。悪い口コミの理由としては、効果が実感できるまで継続できていなかったりアレルギーを起こしているのに使い続けてしまっていたりする可能性が考えられます。
アロエを使った育毛剤を使用する際は、半年程度は継続すること・刺激を感じた際は即時中断することを留意しておきましょう。
まとめ
今回はアロエが髪の毛によい理由や効果、育毛方法などについてお話しさせていただきました。改めて、本記事の重要ポイントを下記にまとめます。
- アロエが髪によい理由は、正常な頭皮・毛髪の形成に役立つサポニンやタンニン、ムコ多糖類などの有効成分が含まれているためである。
- アロエによるヘアケアは、育毛や白髪の改善、美髪などをサポートしてくれる。
- アロエによる育毛には、市販のアロエジェルや手作り育毛剤、アロエそのものを使用する方法がある。
本記事を通して、抜け毛に悩む方々がアロエの髪への効果を理解し、手軽なヘアケアを日常に取り入れていくことができれば幸いです。