「プラセンタを使ったら髪が生えるらしいけれど、実際はどうなんだろう…」
「そもそもプラセンタってなんだろう…」
あなたには、このような疑問や関心はありませんか?
肌にプラセンタが良いということは聞いたことがあっても、髪にも良いというのは聞いたことがない方もいるのではないでしょうか。また、そもそもプラセンタを詳しく知らない方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、プラセンタとは一体何なのか、本当に髪に良い影響を与えるのか、高い効果を得るためのプラセンタの活用方法はどのようなものなのか、など紹介しています。
薄毛をはじめとした、髪にお悩みの方には必見の内容となっています。ぜひ最後までお目通しください。
目次
プラセンタとは?
プラセンタは「胎盤」を意味する言葉です。美容や健康におけるプラセンタは、胎盤からの抽出成分を指します。
胎児は「胎盤(プラセンタ)」から伸びたへその緒を通じて、母親から成長に不可欠な酸素や成長因子、栄養(アミノ酸、ミネラル、タンパク質など)などを受け取ります。プラセンタは、このように胎児の成長に重要な役割を果たしますが、出産後に残ったプラセンタにも同じように豊富な栄養が含まれているのです。
プラセンタは抽出成分として様々な用途に用いられ、医薬品やサプリメントという方法での内服、注射を用いた注入、化粧品として頭皮や肌に塗布するといった摂取方法があります。プラセンタの活用により、たとえ大人であっても、薄毛改善をはじめとした高い美容効果や免疫機能の向上などが期待できます。
プラセンタで髪が生える7つの理由
プラセンタには、人の細胞を活発にするための様々な栄養が豊富に含まれており、それぞれの栄養成分は身体にとって良い影響を与えるものばかりです。ここでは、その中でも髪が生えることにつながる7つの理由を紹介します。
- 頭皮の血行を促進する
- 新陳代謝を高める
- 成長因子を含んでいる
- タンパク質やミネラル、ビタミンが豊富である
- 保湿作用がある
- 頭皮の炎症を抑える
- ホルモンのバランスを調整する
頭皮の血行を促進する
薄毛の原因の1つは、頭皮の血行不良です。髪の発毛や成長に、血液と共に運ばれてくる栄養が不可欠なため、血行不良は大敵です。血行不良によって、髪の発毛や成長に欠かせない毛乳頭や毛母細胞が栄養不足に陥ることでそれぞれの活動が弱まり、薄毛や脱毛につながります。
プラセンタは、頭皮の血行を促進させる作用があります。血行が促進されることで、髪の発毛や成長に必要な栄養が頭皮に十分に行きわたり、髪の成長や健やかな髪を保つのに役立つのです。
新陳代謝を高める
新陳代謝とは、身体の中の古い細胞が新しい細胞に入れ替わること。髪の場合は、「ヘアサイクル(毛周期)」と言われる新陳代謝が行われており、ヘアサイクルが正しく行われることで、髪が正常に生え変わることにつながります。
ヘアサイクルには「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。髪の成長には「成長期」が重要で、この期間に髪が太く長く成長するのです。しかし、薄毛になる方の多くは、過剰に分泌される男性ホルモンや遺伝、生活習慣などによって、成長期が短いことが原因で髪が十分に成長できないと考えられています。
プラセンタには新陳代謝を高める働きがあり、髪が正常に生え変わるヘアサイクルになる手助けをします。
成長因子を含んでいる
成長因子とは、細胞の増殖や活動を活発にするタンパク質のことです。髪では、成長因子が髪の成長に重要な役割を果たす毛乳頭や毛母細胞の増殖・活動を活性化させ、健やかな髪の成長を促します。
プラセンタには、EGF(上皮成長因子)、NGF(神経成長因子)をはじめとした、細胞の働きを活性化する成長因子が豊富に含まれており、それらの成長因子が髪の成長を促します。
たとえば、EGFとNGFの具体的な働きとしては、頭皮の新陳代謝を促進することにより、ヘアサイクルの正常化や毛乳頭や毛母細胞などの頭皮の成長や活性化などがあります。
タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富である
薄毛の改善や健康的な髪を保つためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなどの栄養が必要です。プラセンタにはこれらの成分が豊富に含まれており、薄毛の改善や髪の成長に役立ちます。
髪の毛の主成分である「ケラチン」は、タンパク質の一種であることから、タンパク質の摂取はケラチンを生成する材料が増えることにつながるので効果的です。
亜鉛などのミネラルは、髪の毛の主成分である「ケラチン」の生成を助け、ビタミン群は、抗酸化作用や血行改善などの頭皮環境を整えます。
保湿作用がある
頭皮環境を健康的な状態に保つためには適度な水分が必要で、頭皮が乾燥しているとターンオーバーが乱れに繋がり、頭皮環境を悪化しかねません。頭皮環境が悪化すると髪がきちんと成長できなくなってしまう恐れもあります。なお、ターンオーバーとは、新しく作られた頭皮が古くなった頭皮と入れ替わることを言います。
頭皮には適度な水分や皮脂が必要で、それらが雑菌や紫外線などの外部の刺激から頭皮を守る「バリア機能」を果たします。しかし、頭皮が乾燥するとバリア機能が正常に働かず、外部刺激から頭皮を守ることができなくなります。その結果、頭皮環境が悪化して薄毛につながる可能性があります。
プラセンタには、アミノ酸が豊富に含まれており、アミノ酸の保湿作用により頭皮のバリア機能を高め、頭皮環境を整えることができます。
頭皮の炎症を抑える
頭皮の炎症は、すぐに抜け毛や薄毛につながるものではありません。しかし、炎症によって頭皮環境が悪化し、その状態が続くと、髪の成長が阻害され、抜け毛の増加に繋がる可能性があります。
プラセンタには、炎症を抑える抗炎症作用があり、頭皮の炎症による頭皮環境の悪化を抑えることで頭皮を守ります。
ホルモンのバランスを調整する
男性ホルモンが過剰分泌されると、AGAによる薄毛や脱毛のリスクが高まります。AGAとは、男性型脱毛症とも呼ばれ、男性に特徴的な薄毛になる病気の1つです。AGAは、悪玉男性ホルモンであるDHT(ジヒドロテストステロン)の働きによって、髪の成長に必要な毛乳頭や毛母細胞の働きが抑制されることで引き起こされます。DHTは男性ホルモンの1つであるテストステロンから生成されることから、男性ホルモンが多い状態の方がAGAの発症リスクは高まります。
プラセンタには、ホルモンのバランスを整える働きがあると言われており、AGAによる薄毛や脱毛のリスクを軽減することが期待できます。
サプリで取れる?プラセンタの取り入れ方
髪に良い影響を与えるプラセンタを身体に取り入れる方法は様々ですが、主に以下の3つが挙げられます。
- 頭皮への注射
- サプリメントでの内服
- 化粧品を用いたスキンケア
頭皮への注射
プラセンタの効果を最大限に得るためのおすすめの方法は、プラセンタ注射です。頭皮に直接プラセンタを注入することで、効率的・持続的に高い効果を得られることが期待できます。
注射による施術と聞くと、痛いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、用いられる針は極細注射針のため、個人差はあるものの、「痛みに弱い」方でも耐えられる程度の痛みです。
注射による施術時間は、10分程度です。プラセンタによる発毛効果を実感するためには、ある程度の期間が必要なため、数ヶ月は継続するようにしましょう。ただし、半年から1年治療を続けても全く効果を実感できない場合は、治療方針について医師と話し合うことをおすすめします。
サプリメントとして内服
サプリメントとして内服することで、プラセンタを取り入れるという方法もあります。
注意点としては、注射と同じように効果が出るまでには一定の時間が必要です。即効性は期待できませんので、ある程度継続して摂取すると良いでしょう。植毛などの一部の薄毛治療を除いて、即効性の高い治療方法は確立されていません。
化粧品を用いたスキンケア
注射や内服薬に加えて、プラセンタが配合された化粧品を頭皮に使用するという方法もあります。プラセンタが配合されたスキンケア化粧品は、ローションやクリーム、トリートメントなど様々です。
注射とは作用の仕方が異なりますが、化粧品によるスキンケアのメリットとしては、頭皮の血行改善や新陳代謝などの効果を持つプラセンタを直接頭皮に塗ることができるという点です。
AGA治療薬との併用も有効な手段の1つ
現在の薄毛治療の方法は様々ですが、薄毛治療の効果を高めるための方法の1つに、AGA治療薬とプラセンタの併用があります。
AGAになる原因物質の1つにDHT(ジヒドロテストステロン)があり、DHTは5αリダクターゼと呼ばれる還元酵素の働きによって、テストステロンから生成されます。
AGA治療薬であるフィナステリドやデュタステリドは、5αリダクターゼの働きを抑えることでDHTの生成を抑制します。体内のDHT量が減少することで、髪が抜けて薄毛になるのを防いだり、髪が太く育つ働きを助けたりするのです。
このような作用を持つAGA治療薬にプラセンタを併用することで、髪の発毛や成長につながる効果を高めることが期待できます。実際に、AGA治療薬とプラセンタを併用して治療を行っているクリニックもあるほどです。
発毛以外にも期待できる2つの効果
髪の発毛や育毛に注目されがちなプラセンタですが、実は白髪を減らしたり、円形脱毛症の症状を改善したりする効果も期待できます。
白髪が減る
注射や内服によるプラセンタの使用を継続することで、白髪が減って黒髪が増える効果が期待できます。
白髪が減る理由については明確には解明されていませんが、プラセンタに含まれている成長因子や栄養を取り込むことで、黒髪を作るのに良い影響を与えることが考えられます。
ただし、白髪が減るという作用については個人差が大きく、誰でも効果が表われるわけではありません。いずれにしても、プラセンタを継続使用した結果、白髪が減って黒髪が増えたという症例が数多くあります。
円形脱毛症が改善する
円形脱毛症の治療法の1つに、プラセンタを活用する事例もあります。
円形脱毛症は、ストレスをはじめとした何らかの原因をきっかけに、免疫細胞が誤って自分の頭皮を攻撃することで起きる脱毛症の1つです。
ステロイドなどの塗り薬や内服薬を用いるケースが一般的ですが、プラセンタを活用する事例もあります。紹介したようにプラセンタは、髪の成長に必要な成長因子や栄養が豊富に含まれ、さらに血行改善や炎症を抑える抗炎症作用もあります。症状によっては、プラセンタによる治療は一般的な治療よりも改善がより早く見られる症例もあるようです。
プラセンタと髪の関係に関するよくある質問
最後に、プラセンタと髪の関係に関するよくある質問をまとめました。
Q.プラセンタで抜け毛が増えるって本当?
プラセンタの使用によって、発毛効果が期待できます。そのため、抜け毛が増えることは考えにくいでしょう。しかし、プラセンタで抜け毛が増えた場合には、スキンケア化粧品の使用におけるアレルギー反応の可能性があります。
プラセンタは比較的副作用が少ないと言われていますが、自身の体質によっては合わない場合もあります。プラセンタの使用により抜け毛が増える症状が見られた場合には、医師に相談するようにしましょう。
Q.プラセンタを髪に塗るのは効果がある?
プラセンタを塗ることで、発毛効果は期待できます。ただし、塗る場所の注意点としては、髪に直接塗るのではなく頭皮に塗る必要があるということです。
目で見える髪(毛幹)は、死んだ細胞が押し出されたものです。そのため、髪に直接塗っても効果がありません。発毛に大きく関与する毛母細胞は頭皮に存在するので、プラセンタを頭皮に塗ってこそ効果が期待できるのです。
Q.プラセンタ注射を打ってはいけない人はどんな人?
プラセンタ注射を一度でも受けた方は、献血を行うことができません。そのため、献血をされたい方は、プラセンタ注射を受けない方が良いでしょう。
プラセンタは、厚生労働省に許認可されてから40年以上が経過していますが、これまでに感染症などの問題事例は発生していないことから、安全な物質であると言えます。しかし、未知のウイルスなどの可能性を完全に排除できないため、プラセンタ注射を受けた方の献血はできない決まりになっています。
なお、ご自身が輸血を受ける場合においては、プラセンタ注射を受けた方であっても問題ありません。
最後に
本記事では、プラセンタとは一体何なのか、本当に髪に良い影響を与えるのか、高い効果を得るためのプラセンタの活用方法はどのようなものなのか、などについて紹介しました。
プラセンタを活用することで、薄毛や円形脱毛症などの改善や様々な髪に対する良い影響を与えることがお分かりいただけたかと思います。プラセンタ注射はクリニックで施術を受ける方法しかありませんが、サプリメントや化粧品であれば、すぐに取り入れることができます。また、副作用の心配が少なく安全性が高いことから、AGA治療薬との併用も可能です。
いずれにしましても、プラセンタは髪に良い影響を与える魅力的な成分です。本記事の内容を参考に、日々の生活にプラセンタを取り入れることで薄毛対策を始めてみてはいかがでしょうか。