ミノキシジル配合の育毛剤は効く?塗るだけで発毛効果はあるのか解説

薬局に売られている商品や広告などで「ミノキシジル配合」といった文言を見られる方も多いのではないでしょうか。

ミノキシジルが配合された外用薬を塗るだけで、本当に発毛促進の効果があるのかイマイチ信じられない方も多いかと思います。

本記事では、ミノキシジルの外用薬を使うことで本当に発毛の促進効果はあるかといった点をはじめ、ミノキシジルの効果や副作用、効き辛い人などについても解説します。

ぜひ、最後までお目通しください。

ミノキシジルが配合されているものは「発毛剤」

育毛剤にミノキシジルは配合されていません。ミノキシジルが配合されているものは発毛剤と呼ばれ、発毛促進を目的としたものになります。

発毛剤に含まれる成分には育毛剤に含まれている成分と重複するものもあり、育毛剤と発毛剤が混合されがちですが、それぞれ使用目的が異なります。

育毛剤はあくまでも抜け毛の予防を目的としたものであり、発毛促進の効果は期待できません。

ミノキシジルで期待できる効果

ミノキシジルには発毛促進の効果があり、厚労省や日本皮膚科学会からも、その効果の高さが認められています。

ミノキシジルは以下2点の効果によって、発毛を促進させます。

  • 毛母細胞・毛乳頭を活性化させる効果
  • 血行促進効果

毛母細胞・毛乳頭を活性化させる効果

毛根は毛包と呼ばれる組織によって囲まれており、毛包の底には毛乳頭と呼ばれる細胞組織があります。

毛乳頭は髪の毛の基となる毛母細胞へ分裂や増殖の指示を出しており、毛乳頭と毛母細胞の活動が弱まると、髪の毛は十分に成長し切れずになってしまいます。

ミノキシジルはこれらの働きを活性化させる効果があるため、発毛へと繋がっていくのです。

血行促進効果

髪の毛への栄養は血液によって毛乳頭へと運ばれてきます。そして、毛乳頭から毛母細胞へ栄養が受け渡されるのです。当然、血の巡りが悪くなってしまうと髪の毛に栄養が行きわたらず、髪の毛は十分に成長できません。

ミノキシジルには血管を広げて血行を促進させる効果があり、それによって頭皮へと栄養が行きやすくなり発毛へと繋がります。

ミノキシジルは塗るタイプ(外用薬)でも効果はあるのか

結論、ミノキシジルは塗るタイプ(外用薬)でも効果はあります。

日本皮膚科学会によって行われたミノキシジル外用薬の実験*では、実験に参加した男女のうち約9割の方が増毛しており、男性型脱毛症に対する治療薬の推奨度は最高ランクのAに認定されています。
* 参考文献 :男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版

ミノキシジルタブレット(内服薬)の方が高い効果を発揮するとされている

ミノキシジルにはミノキシジルタブレットと呼ばれる内服薬があります。

内服薬とは経口服用する薬のことです。

発毛促進の効果に関して外用薬と内服薬の比較実験データは十分にありませんが、一般的には内服薬の方が効果が高いとされています。

ミノキシジルタブレットは国内未認可!健康被害も確認されている

しかし、それと同時に副作用が強く現れる危険性があります。そういった点があり、厚労省からミノキシジルタブレットの認可は降りておらず、日本皮膚科学会は「内服を行うべきではない。」と公言しています。

実際に肝機能障害が起きたという健康被害*の報告も挙げられており、 、健康被害にあった男性の方は医療機関で医師に指示を仰いだうえで使用したにも関わらず、このような事例が起きています。
*参考文献:国内未承認のいわゆる発毛薬の服用が原因と考えられる健康被害の発生について – 公益社団法人 日本皮膚科学会

個人輸入はもちろんのこと、ミノキシジルタブレットを安易に服用することは避けた方が良いでしょう。

ミノキシジルの効果がではじめるまでの期間

日本皮膚科学会による実験では24週間(約半年)におけるミノキシジル外用薬の使用で約9割の方に発毛促進の効果が見られていることから、半年ほど使えば効果を実感できると考えれば良いでしょう。

ただ、効果がではじめるまでの期間については個人差があり、3カ月ほどで効果が現れる方もいれば、1年使用してようやく効果が現れるという方もいます。

「1~2カ月使用して効果がでなかったため、使用をやめる」なんてことはせずに、毎日コツコツと積み重ねていくのがミノキシジルを使用した薄毛改善における一番の近道です。

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルに関わらず外用薬の場合は、皮膚がかぶれたり、蕁麻疹が起こったりと皮膚トラブルの副作用が起こる可能性があります。ただ、ミノキシジルの配合濃度が高い

ミノキシジル特有の副作用としては、以下の内容が挙げられます。

  • 動機・息切れ
  • むくみ・体重の増加
  • 頭痛・めまい
  • 肝機能障害
  • 初期脱毛
  • 多毛症

動悸・息切れが起こる理由は血行促進効果によるもの

ミノキシジルが動悸・息切れを起こすメカニズムについては完全に解明されていません。

一般的に考えられているメカニズムとしては、ミノキシジルの使用で血管が拡張されて、血圧が下がり、それに伴い心臓が血圧を維持しようと活動が活発になることから起こるとされています。

また、頭痛やめまいの症状も低血圧によって起こるものです。

こういった副作用があることから、血圧や循環器系に異常がある方は使用を避けるようにしましょう。

初期脱毛が起こるのはミノキシジルが効いている証拠

ミノキシジルを使用しはじめると最初の1~3カ月ほどは初期脱毛の症状が見られます。この症状は一時的なものであるうえ、ミノキシジルが効いている証拠でもあります。

なぜ初期脱毛は起こるのか

初期脱毛が起こる理由はヘアサイクルが大きく関係しています。

髪の毛はずっと伸び続ける訳では無く、髪の毛が成長する成長期と髪の毛が抜け落ちる休止期などを繰り返しており、このサイクルのことをヘアサイクルと呼びます。

AGA(男性型脱毛症)の方は、ヘアサイクルにおける成長期がいちじるしく短くなっており、髪の毛が十分に成長し切れないまま休止期を迎えて脱毛し、薄毛が進行していきます。

ミノキシジルを使って毛母細胞や毛乳頭が活性化されることで、こういった異常なヘアサイクルを終わらせて、正常なヘアサイクルを始めようとする動きが起きるため、初期脱毛が起こるのです。

ミノキシジルが効かない人

約9割の方が発毛促進効果を実感するミノキシジル。臨床試験においても特定の体質を持つ人に対して、効果が効かなかったり、使用していく内に薬剤に耐性がついて効果がでなくなったりといった内容は確認されていません。

ただ、「思ったより生えずに薄毛が改善できなかった」と感じられる方がいるのも事実です。発毛促進の効果を十分に感じられない理由としては、主に以下のような内容が挙げられます。

  • 食生活などの乱れによって栄養が不足している
  • 使用しない日があったり使用する時間帯がバラバラ

食生活などの乱れによって栄養が不足している

髪の毛の成長にはタンパク質やビタミン群などの栄養が必要となります。そのため、食生活に偏り等によって髪の毛が成長するための栄養が十分に補給できていないと、ミノキシジルを使っても十分な発毛効果は実感できないでしょう。

※後に育毛剤記事の食品部分内部リンク設置

使用しない日があったり使用する時間帯がバラバラ

ミノキシジルは継続して使用するものであり、基本的には毎日同じタイミングで使用して薬効成分の血中濃度を安定させる必要があります。

そのため、薬を使わない日があったり使用する時間がバラバラの場合には、十分に効果を得ることができないでしょう。

ミノキシジルの外用薬に関するよくある質問

最後にミノキシジルに関するよくある質問についてまとめました。

Q. ミノキシジル外用薬を使用するだけでも薄毛は改善できますか?

A. ミノキシジル外用薬だけでも薄毛の改善が期待できます。

日本皮膚科学会の実験において、ミノキシジル外用薬の使用だけでも発毛促進の効果は確認できており、薄毛の改善は期待できると言えます。

Q. 外用薬の場合でも動悸・息切れなどの副作用は起こりますか?

A. 外用薬の場合でも動悸・息切れなどの副作用が起こる可能性はあります

ミノキシジル外用薬を使用したことによる動悸・息切れの健康被害に関する報告は現段階ではされていないものの、そういった副作用が起こる可能性は必ずしもゼロとは言えません。

最後に

今回はミノキシジルの外用薬に関して解説させていただきました。本記事の重要なポイントは以下の5つです。

  • 育毛剤にはミノキシジルが配合されていない
  • ミノキシジルが配合しているものは発毛剤
  • 実験では約9割の人がミノキシジルの外用薬による発毛促進の効果が確認できている
  • ミノキシジルの内服薬は国内認可されておらず健康被害も報告されている
  • ミノキシジルには副作用もある

ミノキシジル配合の発毛剤を使用したいと思っているものの、副作用が不安な方は医療機関などで医師の指示を仰ぎ、使用を検討してみてください。

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