薄毛の原因は何?薄毛の特徴や治し方について解説いたします

「最近頭頂部の地肌が目立つようになってきた」

「朝起きると枕に大量の抜け毛がついている」

上記のような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。

薄毛は直接生活に支障をきたす症状ではないものの、男性としての自信を喪失してしまうきっかけになり得るものです。

そこで今回は薄毛のメカニズムや原因、原因に応じた対策方法などについて紹介します。

ぜひ、最後までお見通しください。

女性と比べて男性がハゲやすい理由とは

AGA(男性型脱毛症)の発症には男性ホルモンであるテストステロンの分泌が深く関係しています。

テストステロンとは思春期以降に分泌が盛んになる男性ホルモンで、本来は筋力の増強や制欲の促進、判断力の向上などをサポートしてくれるものです。しかし、男性らしさに欠かせないテストステロンが時として薄毛の原因に繋がることがあるのです。

テストステロンは体内の酵素である5αリダクターゼと結合することにより、DHT(ジヒドロテストステロン)へと変化します。このDHTが毛乳頭にある男性ホルモン受容体アンドロゲンレセプターと結合することにより脱毛因子が生成され、毛髪の成長が阻まれるのです。

アンドロゲンレセプターとは
アンドロゲンレセプターとはテステステロンまたはDHTといった男性ホルモン(アンドロゲン)を受け取る受容体のことです。DHTと結合した場合、毛髪の成長を止めてしまう脱毛因子を生成します。

5αリダクターゼの活性やアンドロゲンレセプターの感受性が高い場合、若くても薄毛を発症してしまう可能性があります。

AGAの特徴について

AGAによる影響を受けやすい部位として頭頂部・前頭部が挙げられます。なぜなら側頭部や後頭部には5αリダクターゼが少なくAGAが生じにくいためです。

AGAの進行の形には下記の3パターンあります。

  • つむじ周辺から薄毛が進行する頭頂型(O型)
  • 前髪の生え際・そりこみから薄毛が進行するM字型(M型)
  • 前髪の生え際が全体的に後退し、前頭部位が薄毛となる前頭型(U型)

前頭や頭頂部を中心に薄毛が進行した場合、AGAである可能性が高いと言えるでしょう。

薄毛の原因一覧

薄毛の要因には前述したホルモンの分泌以外にも様々な事象が挙げられます。下記に代表的な5つの原因について解説します。

  • シャンプーが肌に合っていない
  • 睡眠不足
  • AGA
  • 血行不良
  • 栄養不足

シャンプーが肌に合っていない

洗浄力の高いシャンプーは頭皮にダメージを与えることがあります。

例えば、ラウレス硫酸・ラウリル硫酸といった界面活性剤が配合されたシャンプーは頭皮を保護してくれる皮脂まで過剰に洗浄してしまい頭皮環境を乱すことがあるのです。

特に、ラウリル硫酸に関してはラウレス硫酸よりも粒子が細かいため、洗い流しても頭皮や毛穴に残りやすいデメリットがあります。

抜け毛や薄毛、毛やせなどが気になる場合、原料に界面活性剤の記載がないシャンプーを選ぶと良いでしょう。

睡眠不足

毛髪の形成・頭皮の新陳代謝は成長ホルモンの働きがサポートされています。

成長ホルモンには毛髪・頭皮に必要なタンパク質の合成を促す働きがあり、睡眠中に多く分泌されます。特に入眠してから90分間は最も眠りの深くなるタイミングであり、成長ホルモンの分泌が盛んに行われます。この時間帯にどれだけ深い状態のノンレム睡眠になっているかどうかが重要なのです。

良質な睡眠を維持するために、コーヒーや緑茶、エナジードリンクといったカフェインを多く含む飲料を就寝前に摂取することは控えておきましょう。

AGA

先に述べたAGAの発症は遺伝による影響が大きくあります。

なぜなら、アンドロゲンレセプターの感受性は親の性質を引き継ぐためです。

身内にAGAが多い場合、アンドロゲンレセプターがDHTと結合しやすく脱毛因子が生じやすい性質を引き継いでいる可能性があるのです。

特にAGAは母方の家系から遺伝する傾向にあるため、母方の祖父に薄毛がある場合はよりAGAを発症する確率が高まるでしょう。

血行不良

頭皮に血行不良が生じると、毛髪の形成に必要な栄養素・酸素が毛球部まで行き届かなくなり毛母細胞の分裂が滞ってしまいます。

上記により毛髪の成長サイクルが乱れ、薄毛や抜け毛、毛痩せが起きやすくなるのです。

また血行不良により血中の老廃物が蓄積され頭皮の新陳代謝が滞ると、フケや痒み、臭いなども生じやすくなります。

頭皮環境の乱れは薄毛の要因にもなり得るため、血流改善を意識することは重要なのです。

血行不良を引き起こす要因としては、運動不足や喫煙、ストレスなどが挙げられます。

特にストレスにおいては交感神経を優位にさせ血流を悪くするだけではなく、細胞の分裂に悪影響をきたす活性酸素の発生にも繋がるため、注意が必要でしょう。

栄養不足

毛髪形成に必要な栄養素が不足するとヘアサイクルが短くなり薄毛が起きやすくなります。

成長期にある毛髪の毛球部では毛母細胞の分裂が非常に活発であるため、多くの栄養素が必要となります。

しかし、忙しい30代・40代の男性は栄養価の低いコンビニ弁当やカップ麺、パンなどを食することが多く、髪に必要な栄養素が不足している場合が多いのです。

実際、2017年インドで行われた調査では、脱毛症を患う18歳から40歳までの若年層は必須アミノ酸や非必須アミノ酸、亜鉛などの欠乏が顕著であると示されています。

参考:インドの参加者における脱毛の栄養不足の有病率:横断研究の結果

日本人においても、薄毛が栄養不足に起因している可能性があることを考慮する必要があるでしょう。

ヘアサイクルとは
ヘアサイクルとは毛髪が毛根に生まれてから自然に抜けるまでのサイクルを指し、下記に挙げる3つの周期に分かれています。

・毛母細胞の分裂が活発に行われる成長期
・細胞分裂が滞るようになる退行期
・毛髪の成長が完全にストップしてから自然に脱毛するまでの休止期

薄毛の治し方や改善方法

薄毛には症状に応じた治し方や改善方法があります。下記に具体的な内容を解説します。

AGA治療

薄毛の原因がAGAである場合、医師からの診断を受け治療を開始することが一番の改善方法となります。

前述の通りAGAは遺伝により生じることが多く、生活習慣の改善だけでは対処しづらい問題があります。親から受け継いだ薄毛になりやすい性質にアプローチするためには、薬剤による5αリダクターゼの阻害が必要となるのです。

AGAの治療では主に内服薬や外用薬、メソセラピー(栄養成分の注射)などが用いられます。薄毛の進行度合いや体質に応じた治療方法を医師と相談した上で進めましょう。

育毛剤・発毛剤の使用

市販の育毛剤・発毛剤を使用することも薄毛対策に有効です。

薄毛の改善を目指すために生活習慣を整えることは大切ですが、頭皮への直接的なアプローチはしづらいものです。

市販されている育毛剤・発毛剤は手軽に手に入る上、薄毛の状態に応じた使い方が出来るのです。

例えば、育毛剤においては、脱毛を抑制することで毛髪を育成する効果があり、主に毛痩せに悩む方に適しています。一方、発毛剤においては毛髪の生成を促進する効果があり、地肌の目立つ薄毛症状に適しています。

薄毛を自分で治したい方や症状に応じた対処を手軽に始めたい方にとって、市販の育毛剤・発毛剤の使用はおすすめと言えるでしょう。

栄養バランスの取れた食事

薄毛の改善に栄養素は欠かせないものです。

毛髪の成長は、毛細血管から運ばれた栄養素を材料に毛乳頭で毛母細胞が作られるところから始まります。そして、前述の通り毛母細胞は分裂スピードが早いため多くの栄養素を要します。

ヘアサイクルを正常化させ薄毛の改善を目指すには、髪に必要な栄養をバランス良く取ることが重要なのです。

髪に良い食べ物

髪に良い食べ物を選ぶにあたり、様々な栄養素を意識する必要があります。

例えば、毛髪の8割以上を占めるタンパク質は勿論のこと、ビタミンB群やC、亜鉛・銅といったミネラル各種は毛髪を形成するための材料となります。

また、ビタミンAやE、イノシトールなどは毛母細胞の働きをサポートしてくれます。

上記の栄養素が取れるよう献立を考えることが、髪に良い食事へと繋がるのです。

薄毛を治す食べ物はあるの?

毛髪の形成に必要な栄養素を含む食べ物は、薄毛の改善をサポートしてくれます。特に薄毛の改善と繋がりの深い栄養素と具体的な食材について下記に紹介します。

栄養素栄養素を含む食材
タンパク質豚肉・鶏肉・牛肉・魚肉・卵・大豆など
ビタミンAレバー・人参・モロヘイヤ・鰻・大葉など
ビタミンB群レバー・貝類・ごま・カツオ・ししとうなど
ビタミンC果物類・ピーマン類(赤・オレンジ・黄など)・ブロッコリー・豆苗など
ビタミンEアーモンド・ヘーゼルナッツ・落花生・すじこ・ひまわり油など
亜鉛豚レバー・牡蠣・鰻・切り干し大根など
イソフラボン大豆製品全般

アミノ酸系シャンプーの使用

アミノ酸系シャンプーが薄毛の改善に良い理由は、頭皮への刺激が極めて少ないことにあります。

アミノ酸は毛髪・頭皮と同様に弱酸性であるため、頭髪にダメージを与えず洗浄することが出来るのです。また、保湿効果が高く頭皮を保護する上で必要な皮脂を除去してしまうこともありません。

薄毛や抜け毛、毛痩せに悩む方にとって、毎日のシャンプーをアミノ酸に変えるだけで症状の改善を目指すことが出来るでしょう。

整髪剤をしっかり落とす

薄毛の改善において見落としがちなものが整髪剤の入念な除去です。

日頃何気なく使用している整髪剤が頭皮に残ったままとなると、毛穴詰まりを起こし薄毛の原因となってしまうのです。特にハードタイプのヘアスプレーにおいては地肌に噴射される上、1度のシャンプーで落としきれないことがあります。

頑固な整髪剤汚れを落とすためにも、入念な洗髪を心掛けましょう。

整髪剤を頭皮から落としやすくするためにおすすめの入浴方法は、洗髪前に湯船に浸かることです。洗髪前に頭皮に汗をかいておくことで汚れが浮き上がり、より洗い流しやすくなるでしょう。

植毛

重度の薄毛を発症している場合、最終手段として自毛を移植する方法があります。

薄毛の進行がない部位から毛包ごと毛髪を抜き取り植毛することで、薄毛症状のある部位に健康な髪を誕生させるのです。

生活習慣の改善・薬剤の使用で効果が得られない進行した薄毛の場合、植毛は確かな効果が期待できる唯一の手段となるでしょう。

ただし植毛は独自のニードル機器を用いた外科手術となるため、術後に痛みや出血、腫れといった副作用が起きる場合があります。

上記を考慮した上で、クリニック選びを慎重に行う必要があるでしょう。

薄毛に関するよくある質問

薄毛への対処を行う上で挙がることの多い質問を紹介します。

Q. 薄毛は自分で治すことはできますか?

薄毛には自分で治せるものと治せないものとがあります。

薄毛の原因が生活習慣の乱れによるものならば自力で改善出来る可能性があります。しかし、遺伝や病気による薄毛の場合は医療機関への相談が必要となります。

薄毛の原因を特定することが難しい場合、医療機関の無料カウンセリングを利用してみても良いでしょう。

Q. 頭頂部の薄毛は治るのでしょうか?

薄毛の原因によって完治出来るかどうかは異なりますが、頭頂部の薄毛の改善を目指すことは可能です。

例えばAGAによる薄毛である場合、フィナステリドやデュタステリド、ミノキシジルといった処方薬の使用で着実に改善していくことが出来ます。

また、血流・栄養状態の改善も合わせて心掛けることで更なる薄毛の改善と状態の維持を目指すことが出来るでしょう。

Q. 男性と女性で薄毛の原因は違うのでしょうか?

薄毛の原因において、男性と女性の間には明確な違いがあります。

男性型脱毛症と呼ばれるAGAが男性ホルモンの影響で生じるのに対し、一般的な女性の薄毛は女性ホルモンであるエストロゲンの減少により起こります。

ただし、女性の体内にも男性ホルモンが存在するため、AGAを発症する場合があります。

女性に起きるAGAは、FAGA(女性男性型脱毛症)と呼ばれています。

まとめ

今回は薄毛の原因・対策方法についてお話しさせていただきました。改めて、本記事の重要ポイントを下記にまとめます。

  • 薄毛は発症の原因によって対処方法が異なる。
  • AGAは遺伝により生じることが多く、改善を目指すには医療機関への相談が必要である。
  • 薄毛は血行不良や栄養不足、その他シャンプー・整髪剤などの外的要因により生じることがあるが、これらは自力で治せる可能性が高い。

本記事を通して、薄毛に悩む方々が症状の原因を特定することで薄毛の対策方法を知り、ふさふさの髪を目指していけるサポートが出来れば幸いです。

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