導入実例
店販
教育
導入2年で店販比率3倍まで伸長
物を売るという感覚は捨てる
2023.06.14
スキンケアの取り組みを始めてわずか2年で、店販比率を3倍に伸ばした『Mashuly』さま。
この成果の秘訣は、お客様に実際に体験してもらうこととスタッフの自主性にあると、
オーナーの木本優生さまは語ります。
スキンケアについて学び直す中で自分自身がいちばん楽しめていると話す
店長の小越達也さまを交えながらお話を伺いました。
株式会社スーパーセッション代表取締役 / 木本 優生 さま
「Mashuly」店長 / 小越 達也 さま
-Salon Information-
2020年にリニューアルオープン。
明るく開放的なガラス窓と木目を基調とした店内は、
半個室のプライベートな空間でゆったりした時間が過ごせる。
お悩みに寄り添うサロンとして幅広い世代から愛されている。
Mashuly(マシュリー)
住所:〒224-0032 神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央19-8
TEL:045-949-5636
WEB:https://www.supersession.co.jp/[スーパーセッショングループWebSite]
-Index-
- ココへ来たら美容知識が高まるような場所に
- 美しくなることが嫌な人なんていない
- スタッフが使っていない中で、お客様が体験しても意味はない
- プロとして受け身な話し方をしてはいけない
- ECサイトは便利だからという理由だけではうまくいかない
- 限られた時間の中で、お客様にどう寄り添うか
- 誰よりも美容に夢中でいられるか
木本さま 2年前、コロナ禍の最中に、アジュバンさんのスキンケア商品を導入することに決めました。当時は一時的にお店を休業しなければならない状況で、美容室が本来どのような存在であるべきかを考えるきっかけになりました。お客様は日頃からヘアケア・スキンケア商品を使用しているのにも関わらず、美容室ではヘアケアが中心でスキンケアの取り扱いが少なかったり、またどうして勧めにくいのだろうという疑問を持っていました。美容師とお客様との関係があるにもかかわらず、なぜスキンケア商品をうまく販売できないのだろうと……。そして、コロナ禍の中でも美容に興味を持つ方や自分自身を磨くためにお金をかける方が多いことから、ヘアケアと同様に美容室で自身に合うスキンケア商品を購入できることがお客様の喜びにつながるのではないかと考えました。もちろん、コロナ禍だったので、物販が成功すれば経営面でも生産性を上げることができるかもしれないという期待もありました。
小越さま 以前から他のメーカーのスキンケア商品を取り扱っていましたが、技術メニューやヘアケアに力を入れていたため、スキンケアの優先度は低かったと思います。けれど、アジュバンさんの商品導入時に参加したセミナーで、洗浄剤に含まれる界面活性剤の重要性を再確認しました。アトピーや敏感肌などの肌トラブルを抱える人々にもケアを楽しんでいただくために、アジュバンさんが細胞レベルから製品開発を考えていることを知り、僕の考え方にもフィットすることを感じました。そして、肌トラブルを抱える人々に対して解決のお手伝いをしたいという思いが一層強くなりました。改めてスキンケアを学び直すことができ、自分自身が一番楽しめたことも良かったです。美容師として、髪だけでなく頭皮とつながっている肌のトラブルも解決することが重要だと気づき、美容情報を伝える場所として美容室を捉えるようになりました。
小越さま スキンケアに力を入れ始めて、女性はいくつになっても「美しくなるのは幸せなこと」なんだなと改めて感じました。正直なところ、年齢を重ねるにつれて、そういう気持ちは薄れていくものかと思っていました。けれど、お客様が美しくなることによって喜びや楽しさ、幸せを感じていることを再認識しました。中には「もう私はいいよ」という方もいらっしゃいますが、おすすめした商品を試してみると驚くほどの効果を感じてくれて、「すごくよかった!」とリピートしてくださる方もいます。そんなお客様の喜んでいる姿を見ると、僕も楽しくなります。
木本さま アジュバンさんのセミナーに参加して以来、スタッフの意識が変わったと思います。お客様の悩みに注目し、寄り添えるようになりました。当然今までも肌悩みを抱えていたはずなのですが、私たちがそれにフォーカスしていませんでした。スキンケアの正しい知識を身につけたことで、効果的にアドバイスができるようになり、お客様の役に立てることが増えて、とても良い変化だと感じています。
小越さま スキンケア商品の店販が順調に伸びたのは、実際にお客様に体験してもらった点も大きいと思います。例えば、お客様が待っている間にテスターを試したり、お席で泡立て体験をしてもらったり。洗顔に使う泡の量や、両手を使って美容液の浸透の違いを感じてもらうことで、商品の魅力を直接伝えることができます。
木本さま あと、スタッフ自身が商品を使ってどんどん綺麗になっていく過程を楽しんでいるので、その様子がお客様にダイレクトに伝わっている気がします。最初に店販で結果を出したスキンケア商品は、「AEミスティⅢ SE」でした。スタッフ全員が感動し、お客様にも伝えたいという気持ちで積極的に取り組んでいました。
小越さま 「AEミスティⅢ SE」は凄すぎましたね(笑)。あそこまで安心・安全な設計でありながら、美容効果を実感できる美容液は他に類を見ないと思います。
木本さま アジュバンさんのスキンケア商品を導入してから、まだ2年ほどしか経っていませんが、スタッフの自主性によって早い段階からうまくいっています。以前は店販5%でしたが、現在は15%。多いと20%弱まで伸長しました。最初に「AEミスティⅢ SE」の成功体験から入れたのが良かったのかもしれません。そこで本当にお客様にも喜んでいただけたので、スタッフも自信を持てたのだと思います。
定型文はダサい?
「今日どうしますか?」「あの商品どうでしたか?」は禁止
小越さま カウンセリングで変えたのは「今日どうしますか?」という定型文ではなく、「今日はご来店いただきありがとうございます。カットとカラーを選ばれて来ていただいていますが、今いちばんの悩み事はございますか?」というような挨拶に変えました。そうすることで、スタイルについてはもちろん、それ以外の悩みに対しても適切な提案ができると考えています。
木本さま 一般的に美容室って形から入るんですよね、どこの美容室行っても「今日どうしますか?」って。それがちょっとダサいなと(笑)。もちろん、ご要望やご希望はお伺いするのですが、お客様主導すぎるというか。なので、最初の「今日どうしましょうか?」を禁止にして、お客様の悩みに耳を傾ける営業スタイルに変えることにしました。お客様が自分の悩みを打ち明けやすくなり、スタッフもお客様に寄り添った接客ができるようになったと思います。
小越さま あと、スキンケア商品が売れた後に「どうでしたか?」とは聞かないようにしています。使っていただいているなら、必ず何かしらの良い変化があるはずなので、その点を見つけて褒めるようにしています。「肌が綺麗になっていますね」「頭皮もすごいいい状態ですよ」とか。効果があまり見られない場合は、使用量や使用方法の確認、使い方に困りごとないかなどを聞くようにしています。さらに、季節に応じたケアや、こんなケアもプラスしたらもっと綺麗になりますよといった追加のケア方法を提案することで、 未来予想図を立ててあげるようにしています。
ECサイト始動
ポイントは「お客様の心理的負担軽減」と
「スタッフモチベーション維持」のための仕組み
木本さま 店舗での販売に加えて、会員制ECサイトも始めました。店舗での購入ではコミュニケーションやアドバイスの提供ができますが、お客様が施術後に複数の商品を購入すると金額が大きくなってしまうことも。そのため、サロンで紹介した商品を自身のタイミングで購入できるようにすることで、心理的な負担を軽減できたらと思っています。商品が切れた時に美容室に行く手間も省けますし、切れたままだとお客様の美しさを保てなくなる可能性もあるので。最近では、遠方に引っ越したお客様がECサイトから注文してくれることがあり、購入時に担当者を選べるシステムもスタッフに好評です。これからの傾向として、「この店でこのスタッフから買いたい」という積極的な感覚が広まるかもしれません。推し活や投げ銭的なニュアンスが好まれる時代になってきていますし……。店側もお客様からの応援を感じることができて良いと思っています。
店で接する時間は限られている
お客様に寄り添う心を育てることでサービスの質を高める
木本さま 以前よりもカウンセリングに費やす時間が増えたので、時間に余裕のない場合にお客様へのサービスが制限されてしまわないかと、スタッフ教育において課題を感じています。スタッフ教育には、カウンセリングの手順などマニュアル化できるものと、人の気持ちに寄り添うことなどマニュアル化できないものがあるので、心の教育を重視して、お客様に寄り添う気持ちを育てることに注力していきたいです。
小越さま 僕が目指しているのは、まず全てのお客様にアジュバンさんのシャンプー、洗顔料、メイク落としを使っていただくこと。今後も洗浄剤の重要性を改めて伝えることを目標にしています。最初の頃は、たくさん得た知識をお客様にどうアウトプットすれば良いか分からず、お客様に商品を使ってもらいたいという気持ちが強すぎて、押し売りっぽくなってしまい、他のスタッフから指摘されたことも(笑)。失敗を経て、まずはお客様が「へー」と納得できるような価値のある情報を提供することが大切だと気付きました。そうすると、お客様から「何を使えばいいかな?」と聞かれるようになります。今後も美容の知識をより深掘りして、向上心を持って勉強していきたいと思っています。
「売れた、売上が上がった」ではなく、
「お客様が綺麗になれる、幸せになれる」という考えになれると店販は楽しくなる
小越さま 美容師の中には、店販に苦手意識を持っている人が結構多いと思います。商品の説明が苦手だったり、無理に売り込みをしているような感覚を持っているかもしれません。まずは物を売るという感覚を捨てて、自分自身が美容やスキンケアに情熱を持って楽しむことが重要だと思います。実際に、うちの店でも物を売るという意識を捨てた後に、店販が伸びたと感じています。
木本さま この仕事に関わり、美容師や美容室の存在意義を考えると、お客様とお会いできる月1回または2ヶ月に1回の中で、美容に興味のある皆さんに美しくなる方法をお伝えすることが私たちの使命だと考えています。ただ、売り上げや利益を追い求めるだけでは心が折れることも……。けれど、美容を楽しむことやお客様と一緒に美しさを作り上げることが使命と自覚することで、日々の営業を苦に思わず、楽しむことができるのではないかなと思います。