医療と美容は<br>同じゴールを目指しているのかもしれない

導入実例

臨床研究

医療と美容は
同じゴールを目指しているのかもしれない

2024.07.02

大阪公立大学大学院で乳腺外科学
臨床医科学専攻の教授/診療部長を務める柏木 伸一郎さま
今回は自身の臨床研究の材料としてKASUIを使用しているということで
医療現場におけるKASUIの有用性や期待できる可能性について
お伺いをさせていただきました。

※本記事は導入店、導入企業の取り組みに対してインタビューを行い、記事化したものであり、製品の効果・効能を保証するものではありません。

 

 

『大阪公立大学大学院』
乳腺外科学 臨床医科学専攻
教授 / 診療部長 柏木 伸一郎 さま

 

 

-Information-

大阪公立大学大学院医学研究科・医学部医学科は、附属病院と共に大都市大阪の「南の玄関口」と称される天王寺に位置する阿倍野キャンパスを拠点としています。

 

 

大阪公立大学大学院医学研究科

住所:〒545-8585 大阪府大阪市阿倍野区旭町1丁目4番3号
WEB:https://www.omu.ac.jp/med/surgery/top.html

 

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女性の9人に1人は乳がんという実態
だが、早期発見により救うことができるがんでもある

乳がんは世界で最もなられる方が多いがんです。
日本においても女性がなるがんで最も多く、年間15万人程度の方が乳がんとなり、約1.5万人の方が乳がんで亡くなられます。これは女性の中で約9人に1人が乳がんになってしまうということです。
しかしながら、乳がんは早期発見、そして適切な治療を受けることにより救うことができるがんとも考えられています。現在、医療の進歩により乳がんの治療成績は格段に良くなってきています。

 

 

 

乳がん発症のピークは20〜40代後半
女性が美しくありたいと強く願う気持ちを美容の力で支えたい

乳がんは20代から徐々に増え始め、40代後半に発症のピークを迎えます。
女性が美しくありたいと強く願う時期でありながら、手術や薬物療法によりご自身の美意識に対して負担が生じてしまうこともある乳がんの薬物療法は、脱毛や頭髪トラブルを引き起こしてしまいます。

治療効果の観点から見ると、頭髪トラブルは我慢すればいいとも考えられますが、女性にとっては心理的、社会的、そして身体的に大きな苦痛となってしまいます。
私たちは手術や薬物療法により乳がん患者さんの治療にあたるだけではなく、治療に伴う身体的心理的、社会的ストレスケアを行っていかなければならないと考えています。

だからこそ、乳がん患者さんにおけるクオリティオブライフ(QOL)は大切です。
乳がんの治療効果を担保した上で、患者さん自身の生活の質を落とすことなく社会生活を送っていただくことが支えになると願っています。

※「人生の質」「生活の質」などと訳されることが多く、生きていく上での満足度を表す指標のこと

 

 

 

乳がん内分泌療法の期間は約10年
美容の力、ヘアケア製品の重要性は
乳がん患者さんのQOL貢献に大きな可能性を秘めている

約7割の乳がん患者さんは、術後に内分泌療法が行われます。
内分泌療法は約10年という長い期間実施されますが、その間、乳がん患者さんは毛髪トラブルと共に社会生活を送らなければなりません。
そこで、適切なヘアケアを介入させることで、多くの患者さんの身体的、心理的、社会的負担の軽減につながるのではないかと考えております。

現在、大阪公立大学病院では、乳がん内分泌療法に起因する毛髪トラブルに対するヘアケアの重要性を検証する「多機関前向き研究」というテーマで臨床研究を進めております。この研究は、乳がん術後の内分泌療法に伴う毛髪トラブルについて、患者さんの声を集め、その結果を医療現場側にフィードバックすることで、ヘアケアの重要性を検証しています。

私は、この臨床研究の結果を学会などで国内外に広く発信することで、医療と美容をつなぐ架け橋としていきたいです。

 

 

 

内分泌療法中の患者さんには
できる限りストレスの少ない処方のヘアケア製品を使ってほしい

内分泌療法中の乳がん患者さんの毛髪は、薬剤負荷によりストレスが生じています。多くの化学物質が含まれたヘアケア製品を用いると、毛髪ストレスは増長されてしまいます。そんな中、私が注目したのがアジュバンコスメジャパンのプロダクトです。

糖とミネラルを中心に肌負担を考えた処方を意識して展開されているために、毛髪ストレスの軽減に寄与し、本来の髪質への回復につながると考えました。中でもこのKASUIは毛髪補修成分や頭皮にやさしい美容成分などにより、毛髪の保護と頭皮の保湿に優れています。このような観点からも、KASUIは多くの乳がん術後内分泌療法中の患者さんの希望となる可能性を秘めています。

 

 

 

KASUIに期待しているのはペプチドAの可能性

我々医療の観点から見て、このKASUIに期待している部分はペプチドAが入っているところです。
ペプチドAは成長因子であるFGF-7やVEGFの産生を促進し、他の細胞に作用することで育毛を促進します。
毛髪を早く、長く、美しく育てるような成分がきっちり入っているということがポイントになってくると思います。

 

 

 

 

これからの医療と美容分野の未来
医療と美容の融合

これまでは医療と美容はそれぞれの世界で成長してきました。しかしながら、ソーシャルメディアなどの発展により、患者さんやコンシューマーの方々が様々な情報を簡単に入手できる時代となりました。その社会的なニーズに適用すべく、これからはお互いの業界を理解し合い、様々な業界が横断的に繋がっていかなければならないと考えています。
大阪公立大学とアジュバンコスメジャパンは、手を取り合い、互いの得意とする領域を共有することで、乳がん患者さんへのヘアケアを介して新たなヘルスマネジメントのロールモデルを構築していこうと考えております

そして、女性が輝きながら社会で活躍することをサポートしていきたいです。
アプローチ方法は異なるものの、医療と美容は同じゴールを目指しているのかもしれません。
だからこそ、医療と美容の融合であり、この業界横断的なムーブメントは、お互いの業界を理解し、高め合っていくことが大切だと考えております。